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フォーシームは1球種ではない…?MLBで進化する”ピッチング革命”。スイーパーは終焉か【MLB】

2024/07/02

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変化球は「強み」を活かす

 メジャーリーグの投手改造において頻繁に叫ばれるのが「強み」を活かすことだ。複雑な変化を伴うことなくシンプルに自分のベストピッチをゾーンに投げ込むことを基本とする。
 

 
 ジェイソン・アダム、エヴァン・フィリップス、ラファエル・モンテロ、タイラー・グラスノーなどは成績悪化のために移籍となったが、移籍後に自分が得意とする、あるいは新たに発見した得意球を多投することによって球界トップの成績を残すことに成功している。
 
フォーシームの形、変化量
 
 現在はロサンゼルス・ドジャースのエースであるタイラー・グラスノーはピッツバーグ・パイレーツ時代にシンカーを重用しコーナーを突く投球を目指していたが、元々コントロールが悪かったため苦しんでいた。
 
 クリス・アーチャーとのトレードでタンパベイ・レイズに移籍したグラスノーはピッチングコーチから「アバウトでもいいからフォーシームを高めに投げ込め」と伝えられ、フォーシーム/カーブで縦変化を活かすピッチャーへ変化し、球界でベストな投手の一人としての進化を遂げた。
 
 この「強み」を活かす投手育成は全体の球種割合に影響を及ぼしている。変化球を多投する傾向はリーグ全体でも顕著になっており、今季のフォーシーム使用割合31.4%は史上最低水準になっており、速球を主体にピッチングを組み立てる従来の概念が崩壊しつつある。
 
 今季、投手の補強をほとんど行わず目玉のルーカス・ジオリトを肘のインターナルブレース手術に失ったボストン・レッドソックスの先発陣だが、先発防御率3.48はリーグ5位だ。その要因は速球の割合を減らしていることにある。
 
 タナ―・ハウクは10%投げていたフォーシームを完全に捨て、スライダー/スプリット/シンカーを主体とした投球にシフト、カッター・クロフォードはフォーシームの割合を減らし、スイーパーを増やした。
 
 この2人以外にもギャレット・ウィットロックやブライアン・ベヨ、クーパー・クリスウェルなどが速球割合を減らして成績を向上させている。

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