大谷翔平、ナ・リーグMVPの必須条件とは!? 前人未到のDH受賞には”打つだけじゃダメ”…?【コラム】
2024/07/16
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MVPは“打つだけじゃダメ”理論を覆せるか!?
DHを専門とする打者がMVP投票上位に浮上しているのが2018年のAL(アメリカン・リーグ)だ。この年はベッツ、マイク・トラウトという世代を代表するファイブツールプレイヤーがMVPを争い、結果的にWARが10を超えたベッツがMVPを受賞した。
J.D.マルティネスは攻撃面では3位のホセ・ラミレスを上回る活躍をしているが、ラミレスはサードを守り守備面で貢献した一方で、DHが出場の半分以上を占めたマルティネスは守備面でマイナスがかかり、4位に順位が落ちた。
米メディア『The Athletic』のKen Rosenthal氏 は、6月初旬に大谷のMVP獲得の可能性について言及したが、その中で「DHがMVPを獲得することの問題は、投票者がDHを通常選手の半分しか評価しないことだ」としている。
つまり、比較的守備面での貢献が少ないとされるファーストやレフトに比べて、”守備に就くことすらない”DHを投票者は数値以上に低く評価するということだ。
以上を踏まえて今季のトップ選手の貢献度を見てみよう。
現在までの累積WARを上から並べるとこのようになる。大谷は守備面で強烈なマイナスがかかっているが、それを埋めて有り余るくらいの攻撃面での貢献がある。現時点では大谷のMVP獲得は十分あり得るのではないか。
ベッツが故障しレースから脱落した今、MVP投票対象になるNLではこの余剰を埋めて大谷を跳び越すだけの活躍をしている選手は存在していない。
エリー・デラクルーズはショートストップだが攻撃面の指標が物足りなく、ハーパーはファーストで守備面ではマイナスがかかる。
視点を変えてALでは打撃で大谷以上の成績を残すジャッジ、攻撃・守備両面で成績を残すショートストップ、ガナ―・ヘンダーソンがしのぎを削っている。この2人のような成績を残す選手がNLにあらわれた場合大谷のMVPは危うくなるだろう。
最後は非常に定性的な話になるが、投票者たちが前例にとらわれずDHをMVPにするだけの度量があるかにかかっている。その壁を打ち破るためにも、大谷には球界を黙らす活躍をしてほしいものだ。
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