ドジャースは今年こそ「プレーオフ弱小」を払拭できる…?命運を握る”キーポイント”は?【コラム】
2024/07/25
Getty Images
ドジャース投手陣の陣容(前半戦終了時点)
ドジャースの投手陣は現在野戦病院と化している。開幕ローテーションで残っているのはギャビン・ストーンとジェームス・パクストンのみ。故障者の代役にはプロスペクトをコールアップするなどして何とかカバーしている。リリーフ投手ではブラスダー・グラテロル、ジョー・ケリー、ライアン・ブレイジャーの勝ちパターンを担うはずの面々が長期離脱中である。
一方でタイラー・グラスノー、ケリー、グラテロルは8月前にも復帰予定、山本由伸はキャッチボールを始めている状態であり、希望も見えている。今回は復帰の可能性があるメンバーは復帰する前提でドジャースのプレーオフロースターを設計してみようと思う。
また、トレードデッドラインでの補強は考慮しない。ちなみにプレーオフでは選手を放出するリスクを負わない上でロースター外しができるため、成績至上主義の下で設計できる。
先発ローテの3人について、グラスノー、山本、クレイトン・カーショーは確定としたい。グラスノーはサイ・ヤング賞級の活躍を送っているし、山本は復帰後の状況によるが故障前は新人王も狙える投球をしていた。カーショーは実績面から簡単にリリーフへどうぞ、とはいかないだろう。復帰後に大崩れしない限り先発として使われるはずだ。
故障時のバックアップとして待機するのがストーン、ウォーカー・ビューラー、ボビー・ミラーだ。実績・経験面ではビューラーがトップを走る。プレーオフでは通算79.2回、防御率2.94と無類の強さを誇る。しかし2回目のTJ手術後は持ち球の質が軒並み下がってしまっている。1発勝負のプレーオフでキャンブルをするには不安が残る。
安定策と言う意味ではストーンがトップだ。今季ブレークを果たしたストーンは6月26日のシカゴ・ホワイトソックス戦で完封を達成するなど進化を遂げた。通年でもオールスター級の成績を残している。一方で三振を取る能力に欠けているため、プレーオフで信頼できるかは微妙だ。
ポテンシャルを取るならミラーが入る。ルーキーシーズンの昨年に安定した活躍を見せ、今季初登板でも6回11奪三振とエースの階段を上っていたが、4月に肩の炎症で離脱。復帰以降は大崩れする試合が増え、防御率も8.07まで悪化し、ついにはマイナー降格となってしまった。
一方で、米メディア『The Athletic』のEno Sarris氏が「なぜ成績が良くならないのかわからない」と評するほどのモノを持っており、化けたら相手打線を圧倒する潜在能力は持っている。
次にリリーフだが、クローザーはエバン・フィリップスで確定だ。「安定感の塊」と言って良いフィリップスは今季16のセーブ機会で14のセーブを記録している。過去2年と比べて成績が下がっているが、毎年夏を越えると調子を上げてくるので心配はないだろう。
セットアップは現在の面子、ダニエル・ハドソン、ブレイク・トライネン、アレックス・ベシアで問題ない。3人とも成績・実績の面からもプレーオフでの終盤を任せられるメンバーだ。
しかし最近は疲労で息切れ感があるので、故障者の復帰やロースター拡大の際にはしっかりと登板間隔を調整し休息を与えプレーオフに備えたいところだ。
ミドルリリーフには故障から復帰する4人、ケリー、ブレイジャー、グラテロル、グローブが入るだろう。復帰勢には疲労がかかっていない、ある意味での「新鮮な腕」としてセットアッパー組をカバーする活躍を期待したい。
【関連記事】
ドジャース、高額年俸ランキングトップ10
【打者部門】大谷翔平は何位? MLBナリーグ打撃成績ランキング
日本人メジャーリーガーの歴代最高年俸ランキング
【了】