【MLB】ダルビッシュ有が見せた「2つの顔」。ギアの上げ下げこそ、完全復活に向けた大事な指針
レンジャーズ・ダルビッシュ有が3日に先発し、5回2/3を6安打3失点に抑え復帰後2連勝を飾った。
2016/06/07
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カノに投じた159km
レンジャーズ・ダルビッシュ有が「別の顔」をのぞかせ、同地区のライバル・マリナーズ打線を相手に試合をつくった。3日に先発し、5回2/3を6安打3失点に抑え復帰後2連勝。随所で見せたギアの上げ下げが光ったマウンドだった。
「前回ほど調子は良くなかった」と試合後にダルビッシュは素直に述懐している。決して本調子ではない中で、悪いなりに試合をつくる。先発投手に最も必要とされる能力を高い次元で示した。
レンジャーズとア西地区首位を争うマリナーズ打線は、3日現在でリーグトップの80本塁打、2位の281得点、4位の打率.264を誇る強打線だ。
走者を背負うまでは91マイル(約146km)前後の速球でコーナーを突きながら巧みに動かし、打たせて取る投球を貫いた。
一方でピンチを迎えれば一変。3回2死一塁で主砲のロビンソン・カノを迎えた場面では、99マイル(約159km)の剛速球で決めにいった。試合全体を見れば平均球速は、復帰初戦だった前回よりも大きく落としていた。それでもトップギアの姿で当たられたカノは「ダルビッシュは自在に球を動かし操っていたし、何より球速が凄かった。手術前の姿と何ら変わらなかった」と打席で感じた凄味を口にした。
常に全力投球を続けることは、どんな先発投手にもできない。ましてや、全快への途上にあるトミー・ジョン手術明けの投手ならなおさらだ。
ダルビッシュが2戦目で示した姿は、今後歩むべき完全復活への道において大事な指針となる。
ジェフ・バニスター監督も「実に見事なダルビッシュのゲームプランだったね」と切り出した。