大谷翔平、米メディアの分析予想まで超越していた!? ”ありえない”数字を踏まえた後半戦の成績予測は…?【コラム】
2024/07/31
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前半戦は期待以上といえる活躍をしたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。開幕前の専門家による成績予測と比較して数字を振り返ると、想像を超えた活躍ぶりが目に見えてわかる。そこで今回は、前回行った成績予想の答え合わせや、前半戦の成績推移を参考に、大谷選手は最終的にどのような数字を残すのかを予測してみた。(文:島倉孝之)
前半戦成績予測の答え合わせ
2024年のロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手の活躍ぶりは、もはやMLBファンで知らない人はなく、日本の社会現象にすらなったと言っていいだろう。前半戦終了時点の主な数字は、打率.316、29本塁打、69打点と、いずれもナショナルリーグで3位以内だ。
大谷選手に関する開幕時の成績予測の詳細は、4月に掲載された以下の第1回コラムに取りまとめている。
https://www.baseballchannel.jp/mlb/176606/
ここに記載のとおり、複数の主体によるMLBの各選手の詳細な成績予測が米データ解析サイト『FanGraphs』にとりまとめられており、以下の主体の予測が記載されている。
FGDC、Steamer、ZiPS、ZiPS DC、ATC、THE BAT、THE BAT X
ここでの開幕時の大谷選手成績予測と現実の前半戦の結果を以下に比較した。なお、前半戦終了時のドジャースの消化試合数は162試合中97試合である。
MLBでの初本塁打は野手としての出場2戦目のことであった。メジャー初本塁打から通算50本塁打まで約3年を要したが、その後は1年に1回のペースで50本刻みの記念となる本塁打を記録している。
打点を除いた各指標が、開幕時の予測値の範囲から好成績の方に外れている。
以下、複数の指標につき、予測値のばらつきを正規分布のグラフで表現したうえで実際の成績を比較したが、ほとんどの指標で、大谷選手の残した数字が開幕時の予測と比べて「ありえない」と言っていいくらいの高レベルなのだ。本塁打や盗塁は、予測値と実際の値があまりに離れておりグラフがいびつになる。
打点だけが「予測の範囲内」なのは、他の数字ほど打点の数字が伸びなかった裏返しでもある。その背景として、前半戦は得点圏の成績が伸びていなかった点(打率.233、本塁打1、OPS.556)があるだろう。前半戦終了時の得点圏での打点は30で、この時点の全打点の半分に満たない。