【MLB】カーショウ、敗戦投手になる日は2度と来ない? ここまで141奪三振に対しわずか7四球
世界最強投手の呼び声が高いドジャースのカーショウだが、今年のピッチングは前年までをさらに凌駕している。141奪三振に対しわずか7四球、抜群の安定度を誇る左腕の2016年はどんなモンスターイヤーとなるのだろうか。
2016/06/22
昨年を上回る驚異的な投球内容
過去5年間でサイヤング賞3回、昨年はMLBでは2002年以来となる300奪三振を達成するなど世界最強投手の呼び声も高いロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショウ。これまでも素晴らしい成績を残してきたカーショウが、今季はこれまでをさらに上回るクオリティーのピッチングを見せている。
カーショウは、現地20日のナショナルズ戦に登板。相手先発のストラスバーグが登板回避したため世紀のマッチアップこそ実現しなかったものの、昨年のMVPブライス・ハーパーから3三振を奪うなど、終始ナショナルズ打線を圧倒し、7回1失点無四球のピッチングで11勝目をあげた。
この日の登板で今季の成績は、11勝1敗、141奪三振、防御率1.57。勝利数、防御率、奪三振数、イニング数等ほぼ全ての主要項目でMLBトップに立っている。特に目立つのが投球のクオリティーを示すK/BB(奪三振/四球)だ。今季は141奪三振に対し、与四球はわずかに7。K/BBは20.14にも達する。
カーショウのK/BBがいかに傑出したレベルにあるのかは、過去の選手と比較すればよくわかる。
シーズンK/BB上位10傑(50イニング以上)
1.クレイトン・カーショウ(2016) 141K/7BB 20.14 ※(6月21日現在)
2.デニス・エカーズリー (1989) 55K/3BB 18.33
3.デニス・エカーズリー (1990) 73K/4BB 18.25
4.エバン・スクリブナー (2015) 64K/4BB 16.00
5.マリアーノ・リベラ (2008) 77K/6BB 12.83
6.エドワード・ムヒカ (2010) 72K/6BB 12.00
7.フィル・ヒューズ (2014) 186K/16BB 11.63
8.上原浩治 (2013) 101K/9BB 11.22
9.ショーン・ドゥーリトル (2014) 89K/8BB 11.13
9.ラファエル・ベタンコ―ト (2010) 89K/8BB 11.13
トップ10人のうちカーショウ、ヒューズの2人を除く8人がリリーフ投手。元来こうした記録は短いイニングに全力を注ぐことができるリリーフ投手が有利と言われている。それだけに今季15登板の全てが先発登板、すでに115イニングを投げているカーショウがこれだけの数字を維持しているのはまさに歴史的快挙と言える。
規定投球回数に到達し、K/BB10.00以上を記録しているのは、1900年以降わずか3投手しかいない。カーショウが4人目となるのはほぼ確実だろう。