大谷翔平は”三冠王”になれる…?今季高打率の要因、メジャー首位打者との大きな違いとは【コラム】
2024/08/12
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もう“引っ張り警戒“シフトでは抑えられない…
以下、米分析サイト『Baseball Savant』のデータをもとに、2021年と2024年の大谷選手の安打の打球方向を比較した。図の下段は、米分析サイト『Baseball Reference』による3方向別の打球の構成比や打率である。
両年の経過試合数の差を差し引いてもなお、2021年と比べて2024年の方がレフト方向の安打(赤)や、バックスクリーン付近の本塁打(緑)が多くなっている。
また、この2時点でライト線の安打が減少した代わりに、右中間の安打(黄)は増加している。『Baseball Reference』での数字上は、センター方向の打率は1割近く、レフト方向の打率は3分近くそれぞれ上昇している。
ライト方向の打率は、全体では低打率だった2021年の方がむしろ高い。なお、上記の方向別の打率には三振は含まれない。2021年は全体の打率に比べ方向別の打率が高く見えるのはそのためである。
2021年、2024年のコース別打率の変化をみると、ど真ん中、真ん中低めのストライクの打率が1割以上向上しているほか、内角低めは5分以上、外角高めや外角真ん中は5分近く向上している。甘いコースを確実に安打にできるようになったほか、安打にできるコースが全体に広がっている。
以上からは、安打の方向性がセンターから逆方向に広がるとともに、安打にできる投球コースが広くなり、真ん中付近を確実に安打にするようになったことが、大谷選手の打率の向上に直結している可能性が高い。