【MLB】イチロー遅いメジャーデビューも、殿堂入り確実の実績にこそ大きな価値
イチローがアメリカでプロ入りしていれば今頃メジャー通算でローズを上回っていたかに関しては、様々な意見がある。しかし、27歳でデビューしながら殿堂入り確実の実績を残したことの価値には議論の余地がない。
2016/06/22
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NPBのレベルは相当高いが日米の野球に差はある
イチローが日米通算でピート・ローズのメジャー記録である4256安打を上回ったことは、両国で大きな議論を呼んだ。日米通算記録を認めるべきなのか、イチローとローズはどちらが真の「ヒット・キング」なのか?その議論の中でしばしば言及されるのが、「イチローが最初からメジャーでプレーしていれば、同等もしくはそれ以上の安打数を稼いだか」ということだ。
これは、完全に「たられば」だが、米球界の関係者はどうみているのだろうか?『UPI通信社』は、「ピート・ローズとイチローのどちらがより偉大かという議論はナンセンスだ」と評している。
記事ではまず、日本でも2007年と2008年の途中までにオリックスで指揮を執ったメッツのテリー・コリンズ監督のNPBの印象に関するコメントを紹介している。
“Japanese baseball is very, very good, but you don’t see the consistent dominant pitching that (Suzuki) faced over here,”
「日本の野球のレベルは相当高い。だからと言って、日本時代のイチローが対戦していた投手の全てが圧倒的な威力を誇っていたわけではないと思う」
コリンズは、言葉を選びながらも日米に「レベルの差」が存在することを示唆しているのだ。そして、彼はこう続けている。
“One thing about Japan, if they don’t think they can get you out, they don’t pitch to you. I am sure he had to deal with being pitched around a lot. Here, because he’s more of a singles guy, you don’t walk those guys.”
「日本野球の関して言えば、投手たちは手強い相手打者とはまともに勝負しようとはしない。でもイチローはそうされていないと思うよ。彼は短打者だからね。長打力のない打者をみすみす歩かせる必要はないんだ」
そして、記事は本質に迫る。果たして、イチローはアメリカでプロ入りしていればどれだけの安打を積み上げただろうか。