【MLB】イチロー、今季最終の打率は? ヒントは本塁打と三振の数、セイバー系サイトが予想
イチローの今季の好調さをセイバー系サイトが分析している。三振の少なさと本塁打がゼロであることにそのヒントがあるという。
2016/06/14
三振率が一気に改善
では、どうして今季はこれだけ高いwRC+を残せているのか?
サリバンは、三振率の変化に着目している。全盛期は概ね8~11%台だったが加齢とともに年々悪化し、特にヤンキース在籍最終年の2014年が17.7%と傑出して高い。これは、同球場のライトポールまでの距離が短く、イチローといえども長打狙いになってしまった可能性もあるとしている。
しかし、それもマーリンズ移籍の昨季から低下傾向を示し、今季はメジャー移籍後最も低い4.7%だ。
イチローは今季ここまでわずか6三振だ。そして、記事では本塁打がゼロであることも見落としてはならないと指摘している。要するにイチローはBABIPの対象打席が極端に多いのだ。
インプレー打球の打率を示すBABIP(Batting Average on Balls In Play)算出時の対象打数は、「打数-本塁打-三振-犠飛」だ。ちなみに彼は本塁打だけでなく犠飛もゼロだ。現在イチローのBABIP対象打数率は94.8%で、メジャーでもっとも高い。それだけでなく、2000年以降でも4番目の高さだ(記事掲載の9日時点では95.4%で2番目だった)。
一般的には、打率は偶然性に左右され変動幅も大きいが、BABIPは長いスパンでは多くの選手が概ね3割前後に落ち着くとされている。
今季のイチローのように、打数とBABIP算出対象打数の差が限りなく小さいということは、打率とBABIPの差も小さいということだ。そして、過去3年のイチローのBABIPは.299だ。したがって、サリバンは「今季の打率は限りなく3割に近い範囲に収まる(今後極端な落ち込みはない)だろう」と結論付け、記事をこう結んでいる。
There will be hits, each one bringing Ichiro a step closer to history. As the milestone gets closer, Ichiro has seemingly flipped the calendar back.
イチローは安打を打ち続け、その1本1本が彼を歴史に導いていく。そのマイルストーンが近づくに従い、イチローはカレンダーを逆にめくり続けてきたのだ。
出典:”Ichiro is hitting almost literally everything”@ fangraphs by Jeff Sullivan in Jun. 9th 2016