【MLB】イチロー、最初からメジャー在籍なら通算4600本安打? 米メディア記者が概算
イチローが最初からメジャーでプレーしていたら、何とローズの4256本をはるかに上回る4600本ほど打っていただろう、とニューヨークのスポーツ記者が推定、概算している。
2016/06/21
Getty Images
ピート・ローズの信じる5つの迷信、そして真実とは
【ローズの迷信1:論議すべきは「プロフェッショナル」野球でのヒットである。】
真実:論議すべきは、イチローがメジャーにいたら何本ヒットを打っていたか、ということである。
「プロでのヒットというのなら、俺のマイナー時代の427本も入れろ。俺はすでにプロだったんだから」とローズは2013年に語った。
これとは対照的に、マーリンズのマティングリー監督は、「日本から来てメジャーで大成功した選手が何人もいる。あっちはマイナーでこっちがメジャーだ、というのは不公平」と言った。正しい見解である。日本プロ野球がマイナーであれば、メジャーで2度もノーヒット試合を成し遂げた野茂英雄や、サイヤング賞投票で2位になったダルビッシュ有や、2009年ワールドシリーズMVP受賞者の松井秀喜などを生み出せるわけがない。
日本プロ野球の平均的選手とメジャーリーグの平均的選手にはレベルの違いがあるかも知れないが、日本にもメジャーで大活躍できる選手がおり、その代表的な例がイチローである。
【ローズの迷信2:論議すべきは日本プロ野球対メジャーリーグ野球である。】
真実:論議すべきは、イチロー対ローズのみ、そしてヒット数のみである。
「日本のプロ野球はメジャーと同等ではない。こっちで成功しなかった日本人選手も多いし、こっちでは平凡な選手が日本で大成功することもある」とピートは、日本で2001年に55本のホームランを打ったタフィー・ローズを例に挙げてこう言った。しかし、このタフィー・ローズでさえ日本での通算打率は.286だった。フェンスまでの距離やホームラン数は、ヒット数とは無関係なのである。
【ローズの迷信3:「比較するなんて無理」】
真実:比較は可能、しかもかなり正確に。
「タイ・カッブ、トリス・スピーカー、ナップ・ラジョイーなどはアメリカでプレーした(だから我々と比較できるんだ。)」とローズ氏は語ったことがる。だがこれらの(白人)プレーヤーが、黒人リーグの(メジャーでプレーできなかった)英雄投手たちと対戦することはなかった。しかしイチローには実際にメジャーでプレーするチャンスが与えられた。そしてメジャーに移籍するや否や、その実力を発揮したのである。
イチローはメジャーでの初年、首位打者に輝きMVPを受賞。そして10年連続200本安打という記録まで達成した。その10年間の打率が.333で、アリーグ最高(ちなみにローズの打率は1960年代が.309、1970年代が.314)。また2004年には84年間破られなかったシスラーの年間ヒット数記録を塗り替え262本のヒットを打った。イチローが2001年にメジャーデビューした時点で、すでにどれだけの才能と力を持っていたかは、これらの結果から明らかである。イチローが『ヒットキング』でないのは、ただ地理的な理由からである。
イチローがマリナーズに移籍した年、その試合前のルーティンはチームメートたちに大きな衝撃を与えた。ブレット・ブーン選手が語った言葉は有名である。「イチローは、見てるだけで疲れる」