【ド軍番米国人記者の眼】前田健太、新人王には少し歳を取り過ぎている? 日本人選手が活躍するたびに再燃する投票問題
ロサンゼルス・ドジャースの前田健太は開幕から先発ローテーションの一角として好成績をおさめている。新人王を狙える位置にいるが、日本で実績をあげた投手に新人王の候補として投票すべきかどうか、米メディアではいつも議論になる。
2016/06/17
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メジャー1年目から安定した成績
日本人選手がメジャーリーグで新人王に輝いたのは、過去3度ある。96年の野茂英雄、00年の佐々木主浩、そして2001年にシアトル・マリナーズに入団したイチローだ。
以来、もう15年も経つが、今シーズンは再び日本人選手にそのスポットライトが当たるかもしれない。そして、その栄誉に最も近い場所にいる選手が、ロサンゼルス・ドジャースの前田健太だ。
現在同じナリーグで、前田の新人王受賞に待ったをかけそうな選手は1名しかいない。前田よりも防御率が良い、唯一の選手であるニューヨーク・メッツのスティーブン・マッツ投手だ。
リーグ全体で見てみると、前田よりも奪三振数が多いのはアリーグのコロラド・ロッキーズのジョン・グレイのみ。だが、この2選手とも、被打率の低さは前田(.211)に叶わない。
もちろん、6月の月間スタッツだけで新人王が決まるわけではない。
だが、前田の活躍を見ていると、投票権を持つ我々米国野球記者協会(BBWAA)の面々も、自分たちが、まだどの賞の投票をするのかが割り振られていないのに、つい、議論を繰り広げてしまうのだ。
28歳の前田当人にとって、この賞はどんな意味を持つだろうか?
「もちろん、受賞すれば素晴らしい栄誉で、名誉なことだと思います」と前田は語る。「でも、新人王をもらうには、少し歳を取り過ぎていますかね」とも付け加えた。