【MLB】イチローの日米通算安打数、公式記録ではないものの「数字としては深い意味を持つ」
イチローが日米通算4257本の安打を放ったことで、メジャー記録を更新。日米通算の記録を取り巻く議論は多くあるが、それでも様々なスポーツメディアが大々的にこの偉業を報道した。
2016/06/17
水曜のパドレス戦は勝ち負けよりもイチローが注目を独占
6月15日、ペトコ・パーク。シリーズ最終戦デーゲームで、イチローは5打数2安打。9回ツーアウトからの最後の打席で見事なツーベースを打ち、ピート・ローズの持つ「野球で最も神聖な数字の一つ」と言われてきた通算4256本の記録を(日米通算で)塗り替えた。勿論、日米通算はメジャーの公式記録ではないので日本ほどは報道されない、と思われていたが、実際にこの記録が更新された瞬間から、様々なスポーツメディアがSNSなどで大々的に報道した。
メジャーリーグ機構も数回公式ツイートやニュース速報を流し、CSBスポーツ、ESPN、そして全米のテレビニュースなどでも「公式記録ではないが、」という前置きをして、イチローの深い会釈、総立ちの観客などの画像、動画を報道した。
ESPNの野球解説者バスター・オルニー氏が司会を務めるESPNポッドキャスト『Baseball Tonight with Buster Olney』ではこう取り上げられた。
まずオルニー氏が切り出した。
“San Diego beat Miami 6-3, but really, who cares about that? It was all about Ichiro Suzuki on Wednesday.
「サンディエゴはマイアミに6対3で勝利しましたが、そんなことは誰も気に留めていませんでした。すべてはイチロー選手一色だった」
そして試合のラジオ実況が流れる。1回表にローズの記録に並んだ時の実況に続き、9回のツーベースの瞬間の実況(マイアミの940 WINZ局)。
“There is a line drive down the right field side into the corner. Ichiro has got an extra-base hit… now for Ichiro, 4257 hits. It is not a record. It is merely a number, but in terms of a number, it is more. And Ichiro takes his batting helmet off, and thanks the crowd. A standing ovation, and a standing ovation from the Marlins’ players, and the coaches staff, and of course Don Mattingly. It is quite a number, 4257. One more in his total professional baseball career than Pete had in his Major League career.”
「ライト戦にラインドライブ、コーナーに転がっていきます。イチロー、長打です!(中略)イチローにとって4257本目のヒットです。(公式)記録ではありません。ただの数字です。しかし、数字としては深い意味を持ちます。あ、イチローがヘルメットをとり観客に感謝の意を表しています。総立ちです。そしてマーリンズの選手も総立ちしています。コーチ陣も、もちろんドン・マッティングリー(監督)も。すごい数字です。「4257」。プロの野球選手としてイチローが打ったこの通算ヒット数は、メジャーリーグでピートが打ったヒット数より1本多いのです」