ドジャース、プレーオフ進出決定も募る不安…短期決戦に不可欠なメンバーを徹底考察!【コラム】
2024/09/21
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リリーフエースは流れを操るのに使うべし
ドジャースブルペンにはリリーフエースが2人いる。マイケル・コペックとエヴァン・フィリップスだ。
コペックは球界トップクラスの球速と球質を誇るフォーシームを持つ。この球がゾーン高めに投げられた場合の空振り率は43.4%だ。また、変化球のスライダー/カッターは空振り球ではないが8割以上を占めるフォーシームを狙ってくる打者のタイミングをずらすには効果的な球だ。
フィリップスには代名詞ともいえる横に大きく曲がるスイーパーに加え、今季中盤からカッター不振により割合を倍近くに増やしたフォーシームがある。
昨季は20%程度しか使用せず、スイーパーの補助的存在だった球が、今季はオークランド・アスレチックスの剛腕投手、メイソン・ミラー級のボールになっている。
空振り率(>= 250球 )
1. メイソン・ミラー 38.8
2. エドウィン・ディアス 38.4
3. エヴァン・フィリップス 37.2
4. カービィ・イエーツ 36.5
一線級のボールを2種類持っているのはポストシーズンでは大きなアドバンテージとなるだろう。加えてエースとなり得るのがアレックス・ベシアだ。フィリップス、コペックと比べると球速は落ちるが、球界屈指の縦変化量を誇るフォーシームと、速球と上手くトンネルされるスライダーを持つ。
四球は若干多いが、それを庇って有り余るほどの奪三振能力を持つ。最近の試合ではあまり重要な場面では起用されていないが、ハイレバレッジでも十分使えるだけの実力はある。
この3人の使い方だが、7回ベシア→8回フィリップス→9回コペックと固定するのはもったいない。どの時点で相手打線のコアが回ってくるかはわからないからだ。
また試合の展開的に確実に抑えたい、三振を取って流れをこちらに回したいという場面も出てくるだろう。故にこの二人はそのような場面で使うべきだ。
ドジャース打線で例えれば、クリス・テイラー、ケビン・キアマイアーではなく、大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンにチームのベストリリーフをぶつけるというわけだ。
2022年ドジャース対サンディエゴ・パドレスのNLDSではGame 4の8回裏、雨が降る中フィリップスがパドレス打線を3者三振に切り、9回表のベッツ、トレイ・ターナー、フリーマンにつなげるという展開もあった。
この時はジョシュ・ヘイダーを投入され反撃に失敗したが、流れ・勢いが短期決戦のポストシーズンでは非常に重要だ。チームが勝つ流れを更に加速させる、あるいは負けそうな流れを無理やり逆転させる。そんな役割をこの3人には期待したい。