大谷翔平は”日本人対決”が苦手…?今シーズンの対戦データで見えたものとは【コラム】
2024/09/22
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現地時間9月10日に実現したロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手とシカゴ・カブス今永昇太投手との直接対決。データでこの対戦を振り返ると、一流メジャーリーガー同士の「至高の対戦」だった。今回は、この試合での今永投手と大谷選手の対戦に焦点を当てたうえで、今季の日本人投手との対戦についても取り上げたい。(文:島倉孝之)
現地時間9月10日、大谷選手が所属するロサンゼルス・ドジャースはホームでシカゴ・カブスと対戦。カブス今永昇太、ドジャース山本由伸両投手が先発したこの試合は、カブス鈴木誠也選手も出場し、2007年5月以来17年ぶりに日本人選手が4人同時出場するMLBの試合となったことでも話題となった。
まずはこの試合で今永投手と大谷選手が対戦した3打席を振り返りたい。MLB分析ツール『Gameday』のデータをもとに、両選手が対戦した3打席の投球内容や結果は以下のようになる。結果を簡単にまとめると、全て今永投手が打ち取ったとはいえ大谷選手も強い打球や大きな飛球を打っている。
今永投手が大谷選手に対し3打席で投じた球数は合計7球で、いずれも少ない投球数で対戦が終わっている。さらに面白いのは、この7球のうち5球がスウィーパーなのだ。
この球種の構成は今季の本人の投球傾向とは異なるものである。以下、この対戦で投じられた球種につき、今季の今永投手の投球割合と被打率/被長打率、大谷選手の打率/長打率をまとめた。
5球投じられたスウィーパーに関して言えば、今季の今永投手が投げる割合は10%にも満たない。被打率も3割近い。ただし長打をあまり打たれていない。
このスウィーパーこそが、実は今季大谷選手が打率約1割と、苦手にしてきた球種だったのだ。今永投手の今季の投球の約3割を占めてきたスプリッターは、この対戦では1球しか投げていない。この投球はボール球になった。
大谷選手は、今季このスプリッターに対し、4割以上の打率、9割以上の長打率を誇っている。また、今永投手が初球に投げたフォーシームは、今季の本人の投球の半分以上を占める球種で、被打率は2割台前半にとどまっている。
一方、大谷選手はフォーシームをまずまず打ってはいるのだが、本人の全体の成績からみて今季は得意な球種とは言えない。