大谷翔平、ドジャースで”無双の9月”に! レギュラーシーズン最終盤の成績を徹底分析【コラム】
2024/10/04
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これまで9月は不調だったが…
こうした大谷選手の2024年9月の成績を過去の9~10月と比較すると、本塁打、盗塁、打率、長打率のいずれも過去最高の数字になっている。
ア・リーグMVPを受賞し、かつ故障なく9月を送った2021年でも5割に満たなかった長打率は5年ぶりに6割を超え、7割台後半に達した。盗塁数16は、過去の9~10月の最高値の4倍になる。
スイングの分析からも、9月のスイング内容は月別にみて最高の内容だったといえる。
平均バットスピードとスクエア・アップ率(バットスピードと球速からの理論上の最大打球速度の80%超の打球(スクエア・アップ・スイング)を打てた割合(ここではスイングに対するものを記載)の相関をみると、7月以降平均バットスピードは増加を続けた一方、7~8月に一旦低下したスクエア・アップ率は、9月に入り4~5月の水準を上回る31.9%に伸びた。
一般に負の相関がある2つの指標の両立が意味するものは、9月の素晴らしい数字を生み出した、スピードと確実性を備えたバランスのとれたスイングだ。
そして9月の大谷選手に関して、実は見逃せない以下の驚異的な数字がある。
9月:.577
うち9月15日~9月26日(地区優勝決定日):.706
今年のシーズン全体:.283
この数字は、得点圏打率だ。大谷選手にとって特に今年前半伸び悩んでいた数字である。開幕直後の4月には得点圏で18打数連続無安打に終わったこともあった。
その大谷選手が、9月15日のアトランタ・ブレーブス戦以降、地区優勝を決めた9月26日のパドレス戦まで、得点圏で17打数12安打、打率.706の成績を残した。
この間には、得点圏で5打数5安打だった9月19日のマーリンズ戦、連日勝ち越しタイムリーを放った9月25~26日のパドレス戦を含んでいる。
この間の四球は敬遠を含む2で、凡退に終わった5打数中2打数でも、三塁走者を本塁に返している。9月19日~26日に限れば得点圏で11打数10安打、打率.909の成績だった。9月19日のマーリンズ戦から20日のコロラド・ロッキーズ戦にかけては、得点圏で4打席連続本塁打の離れ業も記録している。