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大谷翔平、2人の“大谷キラー”に苦戦も…ドジャースを地区シリーズ突破に導いた”力”とは…?【コラム】

2024/10/17

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パドレスが誇る“大谷キラー”2投手との対戦は

 以下、大谷選手が三振を喫した打席から両投手の投球例を取り上げる。まずダルビッシュ投手の投球2例を示す。大谷選手にとっては、第2戦(現地時間10月6日)、第5戦(同10月11日)のいずれも第1打席になる。図はGamedayのデータによった(以下同)。
 
ダルビッシュ対大谷(第2戦)
 
ダルビッシュ対大谷(第5戦)
 
 緩急をつけながら多彩な球種が投じられているうえに、見事に低めにコマンドされ甘いコースに行かない。他の打席での対戦でも甘いコースにはほとんど来ていない。
 
 加えて、一部報道されたように、図では表現できない投球モーションの変化もあった。この上にフォーシームは時速90マイル台半ば(約150キロ)の球速がある。誰も打てないような完ぺきな投球をされていた。
 

 
 次に、スコット投手の投球2例だ。大谷選手にとっては、第1戦(現地時間10月5日)の第5打席、第3戦(同10月8日)の第4打席になる。
 
スコット対大谷(第1戦)
 
スコット対大谷(第3戦)
 
 第1戦で投じられたのはすべて高めの時速100マイル(約160キロ)近いフォーシームだ。この日の先発のディラン・シース投手から高めのフォーシームを捉え本塁打にした大谷選手は、この厳しいフォーシームに食らいつくが、最後はボール球を振らされた。図にない第2戦は高めの同様のフォーシーム3球で三振を喫している。
 
 第3戦はコースを若干変え、低めも交えた配球になった。これまでなかったスライダーも織り交ぜられ、最後は外角のスライダーに手も足も出ず見逃し三振になった。
 
 図にない第5戦は、外角低め中心の配球ののち、真ん中のフォーシームで三振を喫した。
 
 このようにみると、ダルビッシュ、スコット両投手は、地区シリーズで大谷選手に対しほぼ100点満点の投球をしたといっていい。
 
 打倒ドジャースに燃えるチームやファンの雰囲気が乗り移り、高い集中力で臨めた結果ともいえる。配球、コマンド、球速と、誰もが真似できる投球ではない。

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