【MLB】10勝到達の前田健太、指揮官「見れば見るほど好きになる」。崩壊する先発ローテの中で光る存在感
今季22試合目の登板となった前田は、打者天国をものともしない力投を見せ、6回途中2失点で自身10勝目をあげた。故障者続出のチームを開幕から支え続ける前田に対して、チームメイトや指揮官からの信頼も日増しに高まってきている。
2016/08/06
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打者天国として有名な球場で2戦2勝
現地4日、ドジャースの前田健太投手は、敵地クアーズフィールドでのロッキーズ戦に登板。6回途中を2ランホームランの2失点のみ、5奪三振無四球のピッチングで自身10勝目をあげた。地元紙『Los Angeles Times』は、前田を「The most reliable member of the Dodgers rotation(ドジャースローテーションで最も信頼できる投手)」と称えている。
初回から安定したピッチングで凡打を重ねた前田は3回まで無失点の好スタート。一方で打席では2回表2死2、3塁でライトフライ。4回表に味方が1点を先制し、さらに1死満塁のチャンスで迎えた打席では、初球を打って遊ゴロ併殺打に倒れるなど、打席では自身の手で好機を潰してしまい、試合の主導権を握れずにいた。
前田は4回裏、安打で出たアレナードを一塁に置いた場面で、ここまで打率.389のルーキーの4番・ダールに4球目を捉えられ、センターオーバーの逆転2ランを浴びてしまう。しかし前田は続く5、6番打者から連続三振を奪うなどこの回3奪三振と力投。相手チームに行きかけた流れを取り戻した。
ドジャースは5回表、同じくルーキーのコーリー・シーガーがチーム遊撃手最多タイとなる19号アーチで同点にすると、女房役グランダルの自身2014年以来となる2点スリーベースで逆転。勝ち投手の権利をもらった前田はその後5回2死まで投げて降板。リリーフ陣も後続を抑え、4-2で勝利。チームのスウィープ負け(同一カード3連敗)を阻止した。
5回2/3を2失点の好投、チームの連敗を止めた右腕に対し、指揮官も「今日は全てのボールを操れていた」と称賛。「見れば見るほど健太のことをより好きになっていっている」と日に日に前田への信頼が高まっていることを明かした。
4月23日の勝利に続き、これでクアーズフィールドでの登板は、2戦2勝。2試合で合計12イニングを投げ許した得点は2ランによる2点だけだ。クアーズといえば、メジャー屈指の打者天国として有名。エース級ですらこの球場で投げたがらない投手も少なくない。そんな球場で結果を出すコツを前田は以下のように述べている。
“I’m aware that the reputation here is that the balls fly farther,” Maeda said through his interpreter. “But I’m not thinking about that.”
「ここの球場が、ボールがよく飛ぶと評判であることには気づいています。しかし、自分はそれについて考えないようにしています」と前田は通訳を通して語った。