【MLB】イチローの通算安打は今季で3043本? 歴代トップ20入りは来季か
イチローが安打を量産するごとにMLBで活躍した歴代の名選手の記録を塗り替えていく。
2016/07/04
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イチローは今シーズン108本?
ロベルト・クレメンテは3001安打目を打つことができなかったが、イチローは歴代29位のクレメンテと並ぶにとどまらず、さらにヒットを積み重ねていく。1972年の大晦日、クレメンテはニカラグア地震の被災者に届ける救援物資を積んだDC-7の事故により、帰らぬ人となった。物資を手配しただけでなく、クレメンテは自ら被災地に向かおうとしていた。
マーリンズがちょうど半分の81試合を終えた時点で、イチローのシーズン安打は54本だ。このままのペースなら、閉幕までにシーズン108本、通算安打は3043本となる。クレメンテの次は、3007安打の「ミスター・タイガー」ことアル・ケーラインを追い抜く。1953年からタイガース一筋に22年間プレーしたケーラインは、右打ちの外野手。攻守に優れ、パワーはイチローよりもあった。400本塁打にあと1本、500二塁打には2本まで迫った。
その上にいる3010安打のウェイド・ボッグスは、ポジションこそ三塁ながら、左の安打製造機という点でイチローと共通する。1980年代にレッドソックスで首位打者を5度獲得。イチローに抜かれるまで、7年連続200安打以上はアリーグ記録だった。なお、19世紀にプレーしたキャップ・アンソンの安打は、ナリーグが創設された1876年以降に限ればボッグスより1~2本多いだけだが、その前にナショナル・アソシエーションのチームで記録した安打を含めると3400本を超える。
3020安打のラファエル・パルメイロは、569本塁打も記録しているが、殿堂には入っていない。2005年にイチローも出場する試合で3000本目の安打を打ち、半月後に薬物陽性反応で出場停止を科された。パルメイロより3安打多いルー・ブロックは、1960~70年代のスピードスターだ。938盗塁は歴代2位。リッキー・ヘンダーソンには抜かれたものの、現役最多はイチローの505盗塁なので、遥かに離れている。とはいえ、イチローが今シーズン中にブロックの3023安打を上回ることは、まず間違いないだろう。