【ド軍番米国人記者の眼】ドジャース・前田、後半戦開幕投手も。メジャー最強左腕・カーショウDL入りで「エース代役」の期待
ロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショウがDL入り。圧倒的な実力を誇るエースの離脱はチームにとって大きな痛手だ。この状況下、前田健太への期待が高まっている。
2016/07/04
Getty Images
まさかの戦線離脱
木曜、ロサンゼルス・ドジャースには不穏な空気が漂った。メジャー最強左腕、クレイトン・カーショウが、ヘルニアのためDL入りしたのだ。
だが、このピンチを救ったのが、前田健太だった。
この日ミルウォーキー・ブリュワーズ戦に先発した前田は、6イニングを3安打1失点。三振を6つ奪い、8-1と勝利に貢献。自身7勝目を挙げ、チームの空気を保った。
この試合は、まるで今後、ドジャースのエースが、前田にシフトするぞと予言したかのようだ。
故障する前のカーショウは、ドジャースのエースにとどまらず、絶対的左腕の異名をも掲げていた。防御率では首位を4度、サイ・ヤング賞は3度受賞。そして、今シーズンもこれら2つのタイトルを再び獲得するだろうと見られていた。
実際、カーショウが先発した試合でのドジャースは14勝2敗でほぼ無敵。しかしカーショウが投げない試合では30勝35敗と、その差は大きい。エースが少しでも抜けてしまえば、それが短期間でも、ドジャースがプレーオフ進出から遠ざかる可能性は高まることを意味する。
そんな中、直近のブリュワーズ戦を含め、前田の登板試合では、ドジャースは9勝7敗。カーショウ不在の痛手を最小限にくい止めるべく、前田への期待が高まっている。
前田への期待は、チームの勝敗だけでとどまらないだろう。ブリュワーズ戦での勝利によって、ドジャースは、周囲にこう知らしめたのだ。「カーショウがいなくても、ドジャースにはまだ十分エースと呼べる投手が控えている」と。