ドジャース、新たな大型補強が実現する!? 今オフのFA戦略予想は…?【コラム】
2024/11/10
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獲得には大きなリスクも…?
ドジャースは近年、多くの選手に大型契約を渡しているが、多くの全盛期はここ4,5年で終了する。特にベッツ、大谷、ウィル・スミスの成績下降が顕著になるであろう2028年シーズンあたりで更なる野手補強が必要になる可能性が高い。この時点で37歳のフリーマンの契約は終了している。
あと3、4年で何が起こるかは予想が難しいが、順調にいけばガナ―・ヘンダーソンやエリー・デラクルーズなどの若手大物選手のFA時期が近づく。
さらに2025年シーズンに革命的な活躍をする若手が現れたとしても、年数を待てばトレード可能になる可能性がある。今、年俸$50M級の契約を狙っているとされるソトにリソースを割くより、将来の穴埋めのために準備しておいた方が良い。
更に、これ以上オフェンスを強化する必要があるのかと言う問題もある。2024年ドジャースのチームwRC+(得点創出の多さ)は118で30球団中1位だ。
これはベッツとマックス・マンシーがシーズンの半分近くを故障からの復帰にあて、スミス、ラックスの不振があった上での数値であり、来季になり大きく落ちるということは無いだろう。
そんな中でわざわざ大金を投じてソトを獲得する意味はない。例えばソトを年俸$50Mで獲得するなら$25Mの野手1人と$25Mのエース級先発投手を連れてきた方が効率的だ。しかも2人とも10年級の契約を求めることはないだろう。
財政的には前述のジョン・ヘイマン記者の記事においてドジャースに余裕があることが指摘されているが、ペイロールの柔軟性と言う点で支出が固定される長期契約にはリスクが付きまとう。
ソトの契約をざっくり15年6億ドルと仮定すると、2025年の年俸総額は長期契約“だけ”で2億5100万ドルとなり、贅沢税課税ラインの2本目を超過してしまう。
近年のドジャースは贅沢税をガン無視する補強を繰り返しているが、課税ラインをなにも補強せずに超過するのはネクストレベルだ。法人ドジャースの財務情報は公開されていないのでどれほどの補強資金があるかは推測しかできないが、これほどの年俸固定を許容するのだろうか。
また、ソトの争奪戦に参加するのは200億ドルの資産を有するオーナーが運営するニューヨーク・メッツとメジャー最高利益を誇るヤンキースだ。代理人も敏腕で知られるスコット・ボラス氏であり、年俸が市場価値よりも大幅に吊り上げられてしまう可能性が高い。この点からも手を出すのは容易ではない。
ソトがドジャース打線に大きなブーストをもたらすのは確実だ。しかし、大谷やフリーマンの契約とは異なり、大きなリスクもついてくる。大谷とのスポンサー契約と言う金の生る木を手に入れたドジャースにとってもこれは同じだ。ドジャースがこのリスクとリターンをどう判断するかをこのオフ注目していきたい。
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