大谷翔平、アクシデントも悲願達成!左肩負傷の影響、ジャッジとのMVP対決を徹底分析!【コラム】
2024/11/07 NEW
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左肩負傷はどの程度影響したのか
まずは、第2戦の8回の盗塁失敗の際の左肩亜脱臼が打撃に及ぼした影響について振り返りたい。米分析サイト『Baseball Savant』によれば、この負傷の影響のない第2戦までと、負傷の影響を受けた第3~5戦では、スイングの内容が以下のように変化している。
平均スイング速度は、負傷前後でほとんど変化はない。しかし、スクエア・アップ率、ブラスト率(詳細は表の注釈を参照)といった打球内容と連関する指標については、負傷後に20ポイント台半ばの低下を見せている。
通常通りの速度のスイングはできた一方で、最後に打球に力を伝える際に左肩の影響が出たのかもしれない。
このシリーズで大谷選手が外野に飛ばした打球につき、負傷前後での打球内容の相違を、投手の投球と合わせ次表に整理した。
打球速度、飛距離とも負傷後に低下している。同一球種間で比較するとその傾向がわかりやすい。例えば、第1戦、第2戦にゲリット・コール投手やカルロス・ロドン投手から打ったフォーシームと、第5戦にコール投手から打ったフォーシームは、球速はほぼ同じである。
しかし、後者の打球速度は、前者のそれと比較して、15マイル時前後、時速換算で約20キロ以上低下している。負傷後に唯一300フィート代後半近く(120m近く)の飛距離があった第4戦のルイス・ギル投手からの打球は、打球角度からみて、左肩の影響がもしなければ本塁打になっていた可能性もある。
この投球は86.6マイル時(約139.4キロ)のスライダーで、投げられたのは下記の「2」のコースである。打球はセンターから左寄りに飛んだが、本来の状態ならば右中間寄りに飛んでいた可能性が高い。
一方で、本来の状態でなくとも存在感を示すのも大谷選手だ。負傷後初打席となった第3戦の第1打席がその好例である。対戦したクラーク・シュミット投手の投球コースは以下の通りで、大谷選手に恐れをなしたのか、明らかなボール球しか投げることができていない。
さらにそのシュミット投手は、この四球を出した後、満足に走れないはずの大谷選手の足を警戒すぎてしまう。大谷選手がもたらすプレッシャーが、その後のフリーマン選手の先制2ランを呼んだかもしれない。