「トレード価値」が証明――地球上No.1の奪三振アーチスト・ダルビッシュの実力とお買い得度【豊浦彰太郎のMLB on the Web】
実力だけでなく契約のお買い得度や年齢も加味される「トレード価値」では、ダルビッシュ有はメジャー全体でも17位にランクされている。故障で夏場以降を欠場しても「地球上No.1の奪三振アーチスト」への評価は揺るぎないようだ。
2014/12/07
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契約内容からして、ダルビッシュの商品価値は非常に高い
セイバーメトリクスの世界では、投手の実力が反映されるのは、三振、四球、被本塁打のみで、本塁打以外のインプレー打球は長いスパンではおおむね3割前後が安打になるとされている。
それゆえ、三振が奪えるというのは投手の実力を推し量る上で大変重要な要素なのだ。
ちなみに、2014年のダルビッシュは前者が11.22で後者は30.1%。ともにメジャーNo.1だ。
また、彼の残りの契約3年3100万ドルは年平均1033万ドル(1ドル=121円なら約12億5000万円)で、クレイトン・カーショウの残り6年平均3217万ドル(約38億9300万円)は別格としても、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)の残り5年平均2646万ドル(約32億200万円)や田中将大の残り6年平均2217万ドル(約26億8300万円)と比較しても格安だ。
セイバー系サイトの総本山的存在『ファングラフズ』のデーブ・キャメロン記者も、同様の企画でダルビッシュを22位と上位にランクしている。
I don’t know how much teams would discount Darvish’s value. I don’t know that the teams themselves even know how much of a discount is necessary, because guys like this never get traded. We’re basically just throwing darts here.
(故障者リスト入りしたままでシーズンを終えたことで)各球団が、どれほどダルビッシュの価値への評価を下げるかはわからない。各球団自体がどの程度価値を下げて評価すべきかわかっているかどうかも不明だ。そもそも、彼のような選手がトレードされることが稀だ。
開幕戦の先発を首の張りで回避し、右ヒジの炎症で8月9日の登板を最後に故障者リスト入りしたままシーズンを終えたダルビッシュだが、その実力への評価は揺るぎないようだ。
11月下旬にはすでに投球練習を開始しており、来季はシーズンを通じた活躍が期待できそうだ。
出典:”MLB Trade value” by Jonah Keri in Grantland in Dec. 3 & 4 2014 “2014 Trade Value “ by Dave Cameron in FanGraphs in Dec 5 2014.