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ドジャース、2025年は”弱点克服”のシーズンに!? MLB投手が苦しむ大きな「問題」とは【コラム】

2025/01/12 NEW

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過保護なマイナーリーグ

 マイナーリーグとメジャーリーグの投球環境の違いも一因として挙がっている。メジャーレベルでは厳しい環境が待っているわけだが、マイナーレベルでその準備が十分にされていないという。
 
投手起用の仕方 メジャーとマイナー 2005-2024
 
 マイナーレベルには高校を出たばかりの若手からベテランまで幅広く在籍しているため、メジャーと同じ投球環境にすることはできない。しかし、グラフを見ると主に先発においてメジャーとマイナーの乖離が拡大していることが分かる。
 
 若い才能を潰さないためにもイニング数の管理は重要だ。「肘・肩は消耗品」と言われる時代において、マイナー時代にイニング数を消費するのはもったいない。
 
 しかし、イニング管理を重くするあまり、若手がメジャーの中4,5日、年30先発、150イニング以上という厳しい環境に適応できないのでは本末転倒となる。
 
 この準備不足の状態でいきなりメジャーに放り込まれることが故障につながっているのではないかとされている。
 

 

考えられる解決策

 レポートでは故障現象のための対策もいくつか提案している。その一つがルール改正だ。今の環境では投手・チーム両方が球速・スピン量・変化量を求めることが活躍するうえで最善策とされており、これを変える必要があるとしている。
 
 例えば、先発投手が長いイニング(5,6回以上)を投げることを強制、または長いイニングを投げればそのチームに利益があるような制度の導入や、チームが長いイニングを投げられる投手を育てるようにするためのロースター縮小、投手登録人数制限の再改正などを提案している。
 
 現MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏はピッチクロック、ベース拡大、ロボット審判など積極的な改革姿勢を示している。
 
 既に先発投手の6回ルールやゴールデン打席などが検討されているとの報道が出ている。アメリカ野球界の頂点に存在するMLBが「先発投手は長いイニングを投げるものである」というメッセージを出し、それに対応するルール改正を行えば故障はある程度減少していくだろう。

 

 
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【了】

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