「7・8月はマイナー調整も」ドジャース・佐々木朗希は先発ローテを回れる? MLB1年目の起用法を徹底考察!【コラム】
2025/03/03 NEW
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東京ドームで行われる開幕戦で登板の可能性が高まっているロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希。しかし、佐々木はNPBのキャリアでは規定投球回に到達したことがなく、耐久性が問題視されている。迎える新シーズン、そんな佐々木をドジャースはどう起用していくのか。今回は、佐々木朗希のイニング管理にフォーカスした。(文:Eli)
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ロサンゼルス・ドジャースは昨オフ千葉ロッテマリーンズからポスティングされた佐々木朗希を獲得した。100マイル(約160キロ)をコンスタントに叩くフォーシームや、消えるように落ちるスプリットなどが評価され、2025年mlb.comプロスペクトランキングでは堂々の1位となった。だが、佐々木に常について回る課題が耐久性だ。
NPB時代では2022年に129.1イニングを投げたのが最大で、一軍で本格的に稼働し始めた2022年からの3年間のイニング平均は110イニングである。
このことから、ドジャースは佐々木の40人枠登録&メジャー昇格を1,2か月ほど遅らせてポストシーズンまで戦える余地を残すかと思われた。
しかしスプリングトレーニングが始まると、佐々木は開幕ローテに入り、東京シリーズでも投げるかもしれないことが発表された。ドジャースは佐々木のイニングをどのように管理するのだろうか。
メジャーリーグでのイニング管理の例
近年では新人投手や先発経験の少ない投手のイニング管理は30球団共通となっている。プロスペクトがデビューする際には、イニング管理の話題が必ず議論されると言っても良い。
レギュラーシーズンでは30先発162イニング、プレーオフを勝ち進めば追加で4,5先発20イニングと考えると、特にコンテンダーのチームがイニング数に敏感になるのは当然と言える。
昨季では新人王のポール・スキーンズ、4年のキャリアを経て先発転向し開花したギャレット・クロシェが良い例だろう。この2人は先発経験が少なかったことに加え、メジャートップクラスの剛速球を投げるため、より注意が必要だった。これも佐々木朗希との良い比較対象になる。
昨季、最も厳しいイニング管理が行われたのがクロシェだ。当時シカゴ・ホワイトソックスに所属していたクロシェにとって2024年は2022年に受けたトミー・ジョン手術と2023年に発症した肩の炎症からの復帰に加え、本格的な先発転向を開始する年となった。
2020年にデビューしたクロシェだが、2023年シーズン終了までに先発登板はゼロ。基本的に100マイル(約160キロ)に達する速球を武器に1イニングを制圧するリリーフ投手だった。
また、大学野球でも本格的な先発投手としての経験はない。そんなクロシェのイニング管理はクロシェ自身がブルペンへの配置転換を拒否したことにより、先発登板のイニングを大幅に減らすことで行われた。7月以降は先発としての登板間隔を維持した上で、1登板当たり2~4イニングに抑えられた。
ピッツバーグ・パイレーツのスキーンズのイニング管理はクロシェより容易だった。そもそも昇格&デビューが5月11日となりシーズンが短縮されたからだ。それでもシーズン最終盤の2登板ではそれぞれ5回73球、2回23球で交代するなどの管理が行われた。
ちなみに典型的なメジャーリーグ先発投手は中4,5日を基本とし、毎月5、6先発で30イニング程度を消化する。昨季208.2イニングを投げたシアトル・マリナーズのローガン・ギルバートが良い参考だ。