【MLB】岩隈、マリナーズと契約自動更新の価値。破談となったド軍の契約総額を上回る可能性も
マリナーズ・岩隈久志は、田中将大と投げ合った24日の試合で、シーズン規定投球回数に到達。来季も、マリナーズでプレーすることが確定的となった。
2016/08/27
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今季は約10億円で契約
マリナーズ・岩隈久志の来季契約が、今季の投球回数によって自動更新された。ヤンキース・田中将大との今季2度目の投げ合いとなった24日の試合で、今季163投球回となり、シーズンの規定投球回数である162回を突破。「vesting option」と呼ばれる条件出来高をクリアし、来年もマリナーズの一員としてプレーすることが確定した。
ゲームには敗れ、田中に2度連続で投げ負けたこともあり、試合後の岩隈は契約更新については言葉少なだったという。自身の公式ブログでもそのことには触れず「(田中とは)2度投げ合って2度負けてしまいましたが、また投げ合える日を楽しみに成長していきます!」と記した。
しかし内心は「どうだ」とばかりに胸を張ってしかるべき結果ではないだろうか。
昨オフにマリナーズからFAとなった岩隈は、数球団の争奪戦に発展。12月6日に、ドジャースと3年総額4500万ドル(約45億円)で契約合意に達したと日米メディアで一斉に報じられた。ところが1週間後、メディカルチェックで不安が見つかったとして契約は破談となってしまった。
その直後に、古巣マリナーズとの再契約が発表された。
契約は1年契約で年俸は1000万ドル(約10億円)。これだけでは安く買い叩かれた印象さえ持たれかねないが、先述の通りに様々なオプションを盛り込んだ。当時の契約をあらためておさらいしたい。
米メディアの情報などを総合すると、まず岩隈の今季16年シーズンの年俸は1000万ドル。ただ100万ドルの再契約金が支払われるため、実質1100万ドルと言えるだろう。そこに投球回に応じた出来高ボーナスが、150回以降、10回ごとに50万ドルずつ付帯。現時点で150、160投球回突破で100万ドル獲得しており、今季年俸は1200万ドルに上っている。このペースなら今季は200投球回前後に達する見込みで、満額にあたる190投球回突破による250万ドルの出来高が濃厚。最終的に今季年俸は1350万ドルに落ち着きそうだ。