【MLB】岩隈、マリナーズと契約自動更新の価値。破談となったド軍の契約総額を上回る可能性も
マリナーズ・岩隈久志は、田中将大と投げ合った24日の試合で、シーズン規定投球回数に到達。来季も、マリナーズでプレーすることが確定的となった。
2016/08/27
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今季200回到達すれば、来季は一時離脱しても契約更新可能に
そして冒頭に示した「vesting option」。16年シーズンに162回以上投げれば、17年シーズンが年俸1400万ドル(約14億円)で自動更新される。さらに18年シーズンについても、17年に162回以上投げるか、もしくは16年と17年の合計が324回以上となれば、年俸1500万(約15億円)ドルで自動更新される。ちなみに17、18年シーズンに関しても、150投球回以降、10回ごとに50万ドルずつ、満額250万ドルの出来高も付帯されることになっている。
今後順当に進み、今季200投球回を達成すれば、来季は124投球回でさらに契約延長することもできる。不意の故障離脱によるリスクも、十分カバーできる条件となる。
今季は出来高満額獲得が有力となってきたが、仮にその3シーズン全て190投球回をクリアした場合の3年総額は、4750万ドル(約47億5000万円)となる。メディカルチェックでケチをつけられた破談となったドジャースと合意していた3年総額4500万ドルを、ゆうに上回っているのだ。
体の一体どこに問題があるのか、と言わんばかりに、岩隈は今季先発ローテーションを1度も飛ばすことなく、安定した投球ですでに14勝を挙げている。ここ数年メジャーリーグの日本人投手は肘を中心に故障が相次ぎ、ドジャース・前田健太しかり契約の際に厳しい検査基準を科せられてきた。そんな風潮を一変させる、岩隈の快進撃であり、契約延長劇となった。