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ドジャース・大谷翔平、投手での完全復活はできる…? 二刀流復帰の行方を徹底考察!【コラム】

2025/03/07

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Getty Images



ピッチングしている大谷翔平

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 今季も活躍が期待されるロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。2023年に肘の手術を受け、今季は2年振りのマウンド復帰が渇望されている。トミー・ジョン手術からの復帰は通常1年半とも言われるが、投打両立という未踏の挑戦は、彼の復活にどんな影響を与えるのか。今回は、大谷の復帰プロセスについてフォーカスした。(文:Eli)

 

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”完全復活”できる時期は…?

遠くを見つめる大谷翔平
 大谷翔平が2023年に受けた手術の全容はこれまで明らかにされていない。手術はスポーツ医学の権威であるNeal ElAttrache氏によって行われたが、同氏は取材に対して”損傷した箇所を修復した上で、肘の寿命を延ばすために健康な組織を追加し靭帯を補強した”とコメントした。
 
 肘の損傷を修復したことや当初の復帰予定が手術から1年半後の2025年初めだったことから、トミー・ジョン(TJ)手術との類似がみられる。
 
 トミー・ジョン手術、あるいは側副靱帯再建術とは損傷した肘の腱や靭帯を修復するために、患者の正常な腱の一部を摘出し、損傷部位と交換する手術である。1974年にトミー・ジョン投手が初めて受けたことからトミー・ジョン手術と呼ばれる。
 
 初症例から50年が経過したが、メジャーリーグでは毎年のようにTJ手術を受ける投手が現れる。最近の例では2021年サイ・ヤング賞投手のロビー・レイ、2022年サイ・ヤング賞投手のサンディー・アルカンタラが受けた。
 
 ドジャースでは2度目の手術から復帰したウォーカー・ビューラーや2023年に契約が大失敗に終わったノア・シンダガードが挙げられる。
 
 このような症例の積み重ねは、TJ手術を受けた投手がその後どのようなキャリアを描くかについての大きな参考となる。ニューヨーク・ヤンキースのチームドクターを務めるクリス・アーメド氏らが行った研究では次のことがわかったという。
 
 先ず術後3年目までに復帰した投手は全体の82.0%、復帰にかかる平均日数は584日であった。復帰割合が少し低い気もするが、復帰時期に関してはTJ手術の復帰目安と言われる16~18ヶ月とおおよそ合致している。
 
 また、3シーズン目までのパフォーマンス回復率は球速が76%、fWARが48%、球威を示すStuff+が78%、球威/制球から投手を評価するPitching+は78%と術前の状態に完璧に戻るのは非常に難しいと言える。
 
 研究ではパフォーマンス回復率はシーズンを重ねるごとに向上することが示されており、手術直後のシーズンで一喜一憂するのではなく長い目で見る姿勢が重要になりそうだ。
 
 大谷が手術を受けた際に、代理人のネズ・バレロ氏は「最終的な決断は長期的な視点を重視してくだされた。翔平は今後数年にわたり二刀流を継続するチャンスが確保できる道を選んだ」とコメントしている。

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