ドジャース・大谷翔平、投手での完全復活はできる…? 二刀流復帰の行方を徹底考察!【コラム】
2025/03/07
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2回目のトミー・ジョン手術
話をややこしくするのは、大谷が2回目のひじ手術を受けたという点だ。2回目の術後は1回目と比べてパフォーマンス回復率の悪化やリハビリ期間の長期化があるとされている。近年で2回目のTJ手術を受けた選手をまとめた。
コール・レイガンズやネイサン・イバルディのように2度目の手術以降も一線級の活躍をしている選手がいる一方で、ウォーカー・ビューラーのようにメジャーには残ったもののパフォーマンスの大幅低下に悩む選手、あるいはトレバー・ローゼンタールのようにメジャーに戻ることは無かった選手まで様々だ。
タンパベイ・レイズのドリュー・ラスムッセンは2023年に3度目のひじ手術(TJではないが類似の手術)を受けたが、実戦復帰となった2024年は4先発を含む16試合に登板し防御率2.83、球威も術前まで戻している。先発としてフル稼働できるかは今後次第だが、順調な回復を見せていると言える。
絶対数が少ないので確信とまではいかないが、パフォーマンスの良し悪しはさておき、少なくともメジャーの舞台に戻るまでは多くの選手が達成しているようである。
二刀流とリハビリの両立
大谷のリハビリプロセスをさらに複雑にするのが、打者大谷との両立だ。通常、故障した投手がリハビリをする場合、キャッチボールやブルペン投球を行い、打撃練習での登板を経てマイナーでのリハビリ登板と、徐々に強度と実戦度を上げていく。
最終的には故障者リストからメジャー復帰し、イニングや球数を管理しながら術前の稼働状態に戻していく。という流れだ。
大谷と復帰時期が類似する昨年のウォーカー・ビューラーはマイナーで開幕を迎え、3~5イニングの先発登板を6回行った後メジャーに復帰。メジャーレベルでも1先発最大6イニング、球数も100球を超えることは無かった。
このようにレベルや強度を上げ、少しずつ慣らしていくのが一般的なリハビリなのだが、大谷は打者としても出場していることからマイナーでのリハビリ登板をしないとされている。短期離脱ならリハビリ登板をスキップすることはあるが、年単位での離脱でこれをするのは超異例だ。
前例として2020年に大谷が1回目のTJ手術から復帰する際に、当時所属していたロサンゼルス・エンゼルスはマイナーでのリハビリを回避し、マイナーの選手をアナハイムに呼び寄せてライブBPを行った。これにより大谷は打者として出場をある程度持続しながら投手としてのリハビリを行うことができた。
ドジャースはエンゼルス時代と同様の動きをとることもできる。また、戦力的に打者大谷が1~2週間抜けてもそれほど問題が無いのであれば、マイナーでのリハビリ登板に送ることも可能だ。
ここは首脳陣や大谷自身が度々話しているように球団と選手のコミュニケーションをとりつつ決めていくことになるだろう。