【ド軍番米国人記者の眼】前田健太の活躍は予想通り?予想外? 開幕前『スカウティング・レポート』から検証
前田健太のメジャーリーグ1年目の活躍をここまで予測できた米国人記者はいただろうか?開幕前の前田のスカウティング・レポートと今の活躍ぶりを見比べてみた。
2016/07/21
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今季ドジャースで最も活躍している先発
最後に、根本的な部分に眼を向けてみよう。前田は今シーズン、マウンドに上がるたびに、彼の強さを証明しており、これは、ドジャースの試算を欺いたと言える。
入団会見の際に、身体検査で体に「イレギュラー」が見つかったことを認めており、それにより、ドジャースとの契約が、8年総額2500万ドルと破格の値段につながったとみられている。その「イレギュラー」に関し具体的な説明はなく、その深刻度合いも語られることはなかった。このことで、メディアにはおのずと、前田は肘に爆弾を抱えており、1度の投球が大怪我をもたらす可能性も秘めていると心配するようになっていた。
だが、怪我が相次ぐドジャース投手陣の中で、前田は現在、最も活躍している投手として頭角を現している。登板試合数は、チーム最多タイの19試合。登板イニング数は、現在背中を痛めて故障者リスト入りしているクレイトン・カーショウに次ぐ108イニングだ。
チームメイトは、前田が今のような活躍を続けるだけでなく、怪我なくシーズンを終えてくれることを切に祈っている。そうなれば、球団の格安契約は多いに功を奏したことになる。
あと1度登板を果たせば、前田にはボーナスとして100万ドルが支払われる。基本給は300万ドルと破格の安さだが、ドジャースは代わりに出来高に応じてボーナスを織り込んできた。ここまでで既に165万ドルの能力給を稼ぎ出している前田にとっても、この契約内容は、吉と出るものであることを祈っている。