【MLB】イチローとA-ROD、皮肉なまでに好対照だった8月7日。意味合いが全く異なる二人の涙が意味するもの
2016年8月7日、ともにシアトル・マリナーズでメジャーデビューを果たした2人のスーパースターにスポットライトが当たったが、内容はまさに好対照だった。
2016/08/13
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マリナーズとジーターが祝福した相手は?
本塁打では500本、安打数では3000本が米国野球殿堂入りの大きな目安とされる。イチローは日本人として初の殿堂入りを確実とした一方、18歳でメジャーデビューしスター街道を歩んできたロドリゲスは、現状では殿堂入りは難しいだろう。
2人の古巣シアトルでは、イチローが3000安打に王手をかけた6日にも、偉業達成となった7日にも、その速報を試合中のセーフコフィールドの場内ビジョンで流した。球団やファンは今でもイチローを愛しているし、離れた場所からでも声援を送っていた。ちょうど同じ時期にOBのケン・グリフィーの殿堂入りを祝う式典があり、グリフィーもイチローへの賛辞を惜しまなかった。一方で、ロドリゲスの思い出を語ったり、引退の報を受け労う者は、今ではほとんどいない。
ニューヨーク・ポスト紙の電子版は8日付で、「デレク・ジーターが元チームメイトを祝福。それは……イチローだった」と報じた。「イチローの3000安打達成の直後に、ジーターは祝福するコメントを球団を通じて発表したが、ロドリゲスの引退にはいっさい言及しなかった」という。ジーターの真意には触れられていないし不明だが、一部の周囲はそう見ているということなのだろう。
シアトルが生み、12~4年は同じピンストライプに袖を通してヤンキースでプレーした両雄。無念のリタイアに、寂しさが拭えないロドリゲス。それとは対照的に、イチローはまだまだ先へ進もうとしている。