【MLB】イチローが示すベースボールへの敬意――3000本安打達成時の道具を全て野球殿堂へ寄贈
イチローが、3000本安打達成時に使用していた道具の全てを米野球殿堂に寄贈した。
2016/08/11
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野球殿堂に6度も訪問
野球の街、クーパーズタウンはニューヨークから車で4時間ほどの距離に位置している。けっして交通の便が良いとはいえないこの土地をイチローはすでに6度訪れており、館長とも旧知の仲だ。この日のインタビューでもイチローは、「彼に渡すことができてよかった」と語り、アイデルソン館長との間で「僕が死んだら野球道具は全て館長と野球殿堂に寄贈する」という約束も交わしていることも明かした。
これまで数々の記録を作ってきたイチロー。それだけに記念となる品の数も多く、イチロー自身も自分の野球道具を寄贈することを名誉としてきた。そのため野球殿堂に保管しているイチローにまつわる品は3000本安打関連を除いても2ダース以上におよぶという。
メジャーリーグではベースボールの歴史、偉大なるベースボールを彩ってきた先人たちに大きな敬意を払っている。本拠地チームのレジェンドが大歓声で迎えられるオールスター前のセレモニーや、全選手が背番号42のユニフォームで試合に臨むジャッキーロビンソンデーはその代表例だ。自チームのフランチャイズプレイヤーに敬意を表し、引退後もそのレプリカユニフォームを着続けるファンも多い。
残念ながら最近はベースボールの歴史に詳しくない選手や、メディアの前で「野球を見るのは面白くない」と語る選手もいる。
そんな中3000本安打、シーズン最多安打など自身の実績が素晴らしいのはもちろん、ベースボールの歴史に敬意を表しているイチローだからこそ、アメリカで尊敬を集め、どの球場でも大きな歓声を受けてきたのではないだろうか。
出典:Ichiro Suzuki Donates 3,000-Hit Souvenirs to Hall of Fame By THE ASSOCIATED PRESS on Aug.8 2016