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ドジャース山本由伸、課題改善でサイ・ヤング最有力候補に!?昨季との“最大の違い”とは【コラム】

2025/04/23 NEW

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立ち上がりへの対応

 フォーシーム/スプリットコンボが信頼度高く使えるようになったことは山本にとって長年の課題を解決できる鍵となるかもしれない。
 
 圧倒的な投球を披露してきたNPB時代から山本は立ち上がりが弱点とされてきた。MLBでも2024年は打者1巡目の成績が悪かった。
 
 これは登板毎に自分に何が合うかを探す必要があったと見られ、1回は自分探しの時間になっていた。しかし、今年からは序盤から自信をもって自身の強みであるフォーシーム/スプリットコンボを投げることができているようだ。
山本由伸、1 巡目,2巡目投球
 
 また、この改善は試合終盤にも波及している。一般的に試合終盤には打者の目が慣れるため、投手の成績は急激に悪化するとされている。
 
一方で、山本の場合フォーシーム/スプリットの効果が切れても、カーブ、カット、シンカーという別の武器を持っている。今季は3巡目に11回しか対戦していないが、3.0回パーフェクトに抑えている。
 

 

高めのフォーシーム

 山本はその低い身長から打者に向かってフラットなフォーシームを投げることができる。今季は何らかの理由で縦変化が1.0inch程度上昇しているため、その傾向はより強まった。
 
 フラットなフォーシームは高めに投げアッパースイングをかけてくる打者に空振りをさせることで効果を発揮する。
 
 現在の山本はNPB時代の低めフォーシームでスプリットをセットアップするスタイルを継続しており、昨季は微妙だったが、今季はこの戦略が功を奏しているのは前述したとおりだ。
 
 高めのフォーシームを増やすことは、このバランスを崩す恐れがある。ドジャースの投手アナリストやコーチ陣がこのあたりをどのように見ているかはわからないが、今後の動向に注目したい。

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