ドジャース山本由伸、課題改善でサイ・ヤング最有力候補に!?昨季との“最大の違い”とは【コラム】
2025/04/23 NEW
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スライダー
フォーシーム/スプリットのコンボ、大きく落ちるスローカーブなど武器を持っている山本だが、もう一つ武器を持っている。それがスライダーだ。
山本のスライダーは平均85-86、最速89マイル(約143キロ)と平均より速い上に平均より落ち、曲がる。昨季は48球を投げ平均以上の空振りを奪えている。またプレーオフではタティス、アロンゾ、ジャッジと名立たるスーパースターから三振を奪った球だ。
山本はスライダーが腕に負担をかけることを理由に投げることを好まないようである。今年の使用割合も1.4%で1試合に1球投げる程度に抑えられている。
理由が理由なだけに今後よっぽどのことがない限り割合が急上昇することはなさそうだ。
“長いイニング”がサイヤング受賞へのカギに…?
4月12日まで山本の4登板は全て6.0回以内に終わっている。これは全て球数が限界に達したために降板したものだ。これは与四球や失投が多いためではない。
BB%8.4は平均程度であり、Location+115はリーグトップを争える数値だ。おそらくスプリットの多投という投球スタイルの性質上、失敗が増え1打席当たりの球数が増えていると思われる。
山本は現役日本人投手としては最もサイ・ヤング賞に近い選手だ。現在の防御率1.23、K%33.7は続ければ受賞に十分な数値だ。一方で投票する記者は質に加えて量も重視する。
短縮の2020年シーズンを除き、過去10年で最も少ないイニング数での受賞は2021年NLサイ・ヤング賞のコービン・バーンズで167.0となっている。
これも2020年短縮の影響で記者が量に関して若干寛容だった側面もある。完全フルシーズンでは最低170、出来れば180-190イニングは消費したい。
山本のイニング数にマイナスなのは週一登板というチーム事情だ。これにより通常の30-32先発から27-28先発へと減るだろう。
故に山本がサイ・ヤング賞を狙うなら1試合当たりのイニング数を伸ばす必要がある。単純計算で1先発あたり最低6回、出来れば8回は欲しいところだ。
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