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緊縮財政のレンジャーズ 奪三振率の高い藤川球児は魅力的【豊浦彰太郎の MLB on the Web】

カブスからオプション契約を破棄されてFAとなっていた藤川の移籍先は、レンジャーズになりそうだ。緊縮財政の同球団にとって、メジャーでの実績は乏しいが、三振の奪える藤川球児の獲得は賢い選択だろう。

2014/12/14

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レンジャーズにとって藤川の魅力とは?

 今季は補強の目玉だったプリンス・フィルダー一塁手の故障もあり、全球団中最低の勝率.414で7年ぶりの地区最下位に終わった。

 オフの補強ポイントとしては、先発投手やブルペンがあげられた。
 しかし、1年前に獲得したフィルダーやシンソー・チュー外野手との長期契約があと6年も残っており、2013年開幕前にエルビス・アンドゥルース遊撃手と合意した8年総額1億2000万ドル(約144億円)の長期大型契約が来季からスタートするとあっては、このオフも高額FAの獲得はままならない。

 そのような状況下、手の届く範囲での先発投手として、トレードでアンドリュー・キャッシュナー(パドレス)やウェイド・マイリー(ダイヤモンドバックス)を狙うも交換相手で折り合わず、ことごとく失敗していた(ナショナルズからロス・デトワイラーは獲得したが)。もちろん、ブルペンも重要な課題だが、先発陣が揃わぬ状態では積極補強というわけには行かなかった。無駄な投資になる懸念があるからだ。

 実際、FAとなった今季チーム最多登板(79試合)のニール・コッツとの再契約も見送っており、ジョン・ダニエルズGMも追い詰められていた。

 予算の制約がつきまとうそんなレンジャーズにとって、藤川は手の届く好投手だった。同じリリーフ投手でも、アンドリュー・ミラー(オリールズからFAでヤンキースと4年総額3600万ドルで契約)やデビッド・ロバートソン(ヤンキースからFAでホワイトソックスと4年総額4600万ドルで契約)を獲得するわけではないのだ。

 藤川は、故障明けでメジャーでの実績は乏しいが、11月12日付けのコラムでも紹介したとおり、救援投手では最も重要な指標のひとつである奪三振率は高い。『Yahoo!スポーツUSA』の名物記者ジェフ・パッサンは、このオフのFAランキングで藤川を165人中106位としているが、彼をこう評している。

Struck out 17 in 13 innings upon his return from Tommy John surgery, and his splitter can be devastating complement to a fastball that isn’t quite as fast as it was pre-surgery.
トミー・ジョン手術(ヒジの靭帯再生手術)からの復帰後13イニングで17三振を奪っている。そして彼のスプリッターは、速球が手術前に比べると球速が落ちた点を補うだけの威力がある。

 球児の獲得は、現在の環境下のレンジャーズにとって過不足のない、良い選択だろう。

出典:Tweet by T.R. Sullivan in Dec. 12 / “The 2014 ultimate free-agent tracker” @ Yahoo ! Sports USA by Jeff Passan in Dec.11 2014

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