【MLB】イチロー、通算3000本安打に驚きと称賛の声。マリナーズ元指揮官ら「大記録達成は想像もできなかった」
MLB通算3000本安打を放ったイチローに対して「夢にも思わなかった。想像を絶する偉大な業績だ」という声が関係者からも聞かれる。
2016/08/08
スカウトも監督も予想していなかった大偉業
日曜のロッキーズ戦でMLB通算3000本目安打を放ったマーリンズ・イチローの偉業は全米で報じられているが、その輝かしい業績の舞台裏を掘り下げて描いている記者たちもいる。
ABCニュースのスポーツサイトに掲載された『ESPN』のジム・ケープル記者もそのひとりで、試合後さっそく記事を掲載。こんな書き出しをしている。
「マリナーズのスカウトであったテッド・ハイド氏が最初にイチローをスカウトしたとき、偉大な選手であることは明らかだった。しかしメジャーリーグに来て3000本の安打をマークするなど、夢にも考えていなかっただろう」
まだ日本人野手は誰もMLBへ移籍したことのなかった時代である。イチローさえ27歳になった2001年まで、規定によりMLB移籍できなかった。つまり、MLBで3000本ヒットを打つには、毎年200本打ったとしても15年かかり、40代に突入しているという計算になるからである。「そんなことが現実に起こるなんて、考えられなかったよ」とハイド元スカウトは語る。
信じられない、ということでは、当時のルー・ピネラ監督も同じである。
“To think in that first year that this young man would be playing at 42 and going for 3,000 hits, I didn’t think it was possible then. Just 2,000 hits would have been an outstanding achievement.”
「デビューしたあの年に、この若い選手がいつか42歳になってメジャーリーグ3000本安打を打つことになるなんて、到底不可能で、考えてもみなかった。2000本打ったとしても偉大なる業績になっていただろう」
MLBでは首位打者2度、MVP受賞、通算打率.314という好成績を収めているイチローは、年齢を重ねるにつれて成績も落ち、3000本は到達できないのでは、という声も聞かれた。
特に去年の打率(.229)とヒット数(91)を考えると、今シーズン、ぎりぎりで3000本目にたどり着くのでは、と多くの人が推測していた。達成できずに、今年限りで契約更新なし、という見方すらあった。
しかし元チームメイトのロビンソン・カノーはずっと信じていたと言う。
“That’s the guy you’re never going to see retire. He loves baseball so much. He said, ‘I’m going to play until I’m 50 years old.’ If you’re close to a milestone, why retire?”
「イチローはいつまでも引退しない選手だよ。野球をそれほど愛している。50までプレーする、と言っている。金字塔がこんなに近いのに、引退するなんてことはないよ」
最近イチローの打撃練習を見たハイド氏もこう言っている。
「イチローは若さの泉を見つけたようだ。自己を再発見したらしい。ストライクゾーンや投球をうまくコントロールしてるし、今は完全に的を射ている」