【MLB】「異世界からの侵入者」イチローは東西の野球を統合した、2000年代最も重要な野球選手
パワーヒッターが注目を集めていた時代にメジャーデビューしたイチロー、多くの意味で、これまで存在しなかった画期的な野球選手となった。
2016/08/13
イチローの打撃は一種の秘法
It was not art. It was not science. It was a sort of alchemy Ichiro had perfected, according to his biographers, in long hours of backyard batting practice with his father. He hit to all fields. If he hit a gap, he hit doubles or triples. He put on home-run shows in batting practice but did not project power in games.
「それは芸術ではない。科学でもない。イチローの伝記を手掛けた著者によれば、それはイチローが自分で完成させた一種の秘法である。父親と裏庭で長い時間をかけて練習した成果である。イチローはグラウンドの至る所に打球を放つ。野手の間をつけば二塁打、三塁打になる。打撃練習ではホームラン・ショーを披露するのに試合ではそのパワーを見せない」
こうイチローの打撃を評したアレイス記者は最後に、「イチローの行動や言葉には、静かな優しさと不可解さが漂う」と指摘し、ある知られざるエピソードで記事を締めくくった。
以前、黒人リーグで活躍していた野球選手、バック・オニール氏とイチローの関係についての話だ。
カンサス・シティに黒人リーグ野球博物館があり、オニール氏はその博物館の広報大使を務めていた。そこで二人はある日、長い話をした。
2006年にオニール氏が94歳で亡くなった後、イチローがこの博物館に自ら寄付金を持参した。その博物館が受けた寄付の中では最も高額だったという。
イチローがもっと若くしてメジャーに来ていればどれだけ多くのヒットを打っていたか、それはわからない。あと何年プレーするのか、それもわからない。現在42歳。イチローは今でも他に類のない驚くべき存在である。
出典:”Michael Arace commentary: Ichiro is special hitter, gentleman of baseball” @The Columbus Dispatch by Michael Arace, August 9, 2016