【MLB】イチロー、マイアミの至宝に。現地取材で見えた、マーリンズとファンにとっての価値
イチローの偉大さは、現地マイアミや日本だけでなく、キューバにも広まっている。
2016/08/18
阿佐智
世界各国の野球ファンも認めるイチロー
スタンドを見てもイチローの存在感の大きさはおのずと伝わってくる。イチローの名の入ったジャージやTシャツはやはり一番目立つし、球団のショップにもイチロー関連の商品が一番広いスペースをとって並べられていた。
マイアミはおのずと知れた中南米カリブへの玄関口である。そのせいかマーリンズパークを訪れるファンも多国籍である。リゾート地ということもあってか、この球場のスタンドは、アメリカでは珍しくホームチーム一色とはならないのだが、アウェイチームのユニフォームジャージに混じって、ラテンアメリカ各国のナショナルチームやチームのそれも目立つ。彼ら「ラティーノ」の間でも日本から来たサムライはリスペクトされていた。
「イチロー、ブエノ(グッド)。俺たちの国からも、たくさんのメジャーリーガーを送り出したけれど、イチローは彼ら以上の数字を残しているんだろ? アメリカにはいろんな国から野球選手が集まってくるけれど、イチローはナンバーワンのハポネス(日本人)だ」
彼ら中南米人は、アメリカに対するあこがれとともに、強烈な対抗意識を内に秘めている。国籍は違えども、イチローは彼らにとっても、ひとつのアイコンになっているようだった。
また、試合中は日本語がビジョンにたびたび映し出される。それらすべてがイチローを応援する文言である。おそらく知人の日本人に書いてもらったのだろうボードを掲げるアメリカ人の姿が多いが、中にはイチローを応援にマイアミまできた日本人の姿も場内に映し出される。
「マイアミには、もちろんイチローさんを見に来ました。生イチローを観ることができて、大きく映し出してもらえるなんて、いい思い出です。ホントに来てよかった」
と、ある日本人ファミリーは興奮気味に話してくれた。