【MLB】ヤンキース田中、サイ・ヤング賞の有力候補の一人に。後半戦好調をキープ、日本人初受賞なるか
今季アリーグのサイ・ヤング賞は混戦となりそうだ。田中将大も有力候補の一人と見られている。今年、アリーグは各投手の成績を見比べても決め手に欠く状況で、残り試合の成績次第では田中が受賞する可能性も十分にある。
2016/08/30
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他投手と比べてもそん色ない田中の今季
田中は今季2年連続開幕投手を務め、1度も先発ローテーションを飛ばすことなく守ってきた。現地29日現在、26試合に先発して、すでに規定投球回を超す168回。防御率3.11とWHIP1.07はともにリーグ7位。142奪三振は同15位。序盤は勝ち負けの付かない登板が多く勝ち星は11勝で、これをどれだけ積み重ねられるかが今後を占う。
各候補はみな一長一短の傾向。セールは後半戦に入り1勝4敗と負けが先行し、今後が心配。キンタナはWHIP1.10が田中に劣る。クルバーは14勝8敗で、勝ち星は田中を上回るが、田中の4敗に対して8敗は印象が悪い。
ハメルズも主要な成績は田中を上回るが、WHIP1.23は及第点以下と言える。ポーセロとハップはともにリーグ最多の17勝を挙げているが、防御率はそれぞれ3.19、3.23で、奪三振も少ない。ダフィーは序盤は中継ぎだったため先発試合数がまだ20と少なく、新人で開幕後に昇格したフルマーも21試合の先発に留まっている。ブリトンはリーグ最多38セーブ、防御率0.68で、セーブ機会の救援成功率100%と抑え投手では屈指だが、やはり救援投手は選考では不利だ。
サイ・ヤング賞は全米野球記者協会所属の記者投票で、ア・ナ両リーグから1人ずつ選出される。13年にはアリーグでレンジャーズ・ダルビッシュ有が2位、マリナーズ・岩隈久志が3位に入ったが、日本人投手の過去の受賞者はいない。
アリーグのサイ・ヤング賞がこれだけの混戦模様というのは、悪く言えば例年に比べ低調なのは確か。投手のビッグネームは近年、ナリーグに集中している傾向がある。序盤、勝ち星が伸び悩んだ田中が候補に残るのもその裏返しか。ただ過去2年と違い、故障による離脱なく先発投手の一番手として回り、我慢強く復調を待ってきたからこそ。現在登板4連勝中と勢いに乗る田中が、一気のまくりを演じるシナリオは決して捨てきれない。