【MLB】元エース・グレインキーに2度投げ勝った前田健太。米メディア「昨年オフのドジャースの決断は正しかった」
現地時間16日、敵地でダイヤモンドバックス戦に登板した前田健太。今季2度目となる昨年までのドジャースのエース・グレインキーとの投げ合いを制し15勝目(9敗)を挙げた。
2016/09/21
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”因縁”の相手との再戦制す
ナショナルリーグ西地区を快走するドジャースにおいて、唯一開幕からローテーションを守り続けている前田健太。この日の前田は本来の投球ができていたとは言い切れず、5回を投げて94球、四球3つと前田にしては少々多かった。また94球の内訳は、ストライクが57球でボールが37球。コントロールが生命線の前田にとっては苦しい内容だった、
シーズン終盤で中継ぎ陣の疲労などを考えると、できることならば5回よりもっと長いイニングを投げたかったところだが、不調ながらも5回を1失点にまとめた。
しかしこの前田の勝利は、ただの1勝ではない。理由は大きく2つある。1つ目はドジャースの新人としては最多の15勝目を挙げたということ。そしてもう1つの理由はこの日投げ合った相手投手が、昨年までのドジャースのエースであった、ザック・グレインキーだからだ。
昨年オフ、前田はドジャースでなくダイヤモンドバックス入りが有力視されていたが、一転、ダイヤモンドバックスは2015年に19勝3敗防御率1.66という圧倒的な数字を残し、FAとなっていたグレインキーを6年2億650万ドルという巨大契約を結んだ。
結果的にドジャースに入団した前田であったが、グレインキーのダイヤモンドバックス入団によって球団が決まるまでにだいぶ時間を要した。それだけでなく、前田は活躍できなければ「ドジャースはなんとかグレインキを残留させるべきだった」とメディアやファンからも言われかねなかった。
つまり、この2人の対戦は”因縁”とも言われており、米メディアの中でも注目されていた。
『ESPN』のドウグ・パディラ記者は、グレインキーとの再戦に前田が勝ったことで「前田の好投は、ドジャースのオフシーズンの決断を良いものとした」と題し、昨年カーショウと並び絶対的なダブルエースの1人として君臨したグレインキーと比較されながらも、安定した活躍を見せる前田を次のように称えている。
“
Asked whether Maeda or Greinke was the better pitcher this season, one longtime major league talent evaluator said it was Maeda. “No question,” he said.
長い間メジャーリーグをみてきた有名な評論家は、前田とグレインキーのどちらが良いか?という質問に対し、「間違いなく前田」と答えた。
今季の好投だけを考えると確かにそうだ。しかし次に「ポストシーズンでより欲しいのはどちらか?」と聞かれると、その記者は
“It’s not as easy to answer”
「さっきの質問ほど答えるのは簡単ではない」と答えた。