【MLB】日本で守護神を務めた呉昇桓、バーネット。アメリカでもポストシーズンへ必要不可欠な投手に
昨年セリーグの最多セーブのタイトルを分け合ったバーネットと呉昇桓は、今季メジャーリーグ1年目ながら、チームのブルペンに欠かせない投手となっている。
2016/09/19
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リリーフ陣の重要な一角を担う二人
昨シーズン、呉昇桓とトニー・バーネットはそれぞれ阪神タイガースと東京ヤクルトスワローズの守護神として41セーブを挙げ、セリーグ最多セーブのタイトルを分け合った。そして、今シーズンは舞台をメジャーリーグに移し、2人はともに好投を続けてきた。
9月17日時点の成績は、呉が71試合に登板して74回1/3を投げ、5勝3敗17セーブ、防御率1.82、奪三振率11.74、与四球率2.18。バーネットは51試合に登板し、58回2/3で、6勝3敗0セーブ、防御率2.15、奪三振率7.21、与四球率2.30だ。昨シーズンの41セーブに続き、彼らは今季揃って14ホールドを記録している。
呉もバーネットも、メジャーで投げるのは今シーズンが初めてだ。プロとしてのキャリアは長く、年齢は34歳と32歳ながら、新人王の資格を持つ。
新人王は各リーグ1名だが、もし部門別に選ぶとすれば、ナリーグの救援投手部門は間違いなく呉だろう。呉のセーブ数はリーグの新人で最も多く、登板数は最多タイ、イニングは2位だ。救援として50イニング以上を投げているナリーグの新人中、防御率は1位、奪三振率は2位、与四球率は3位に位置する。また、呉ほどではないとはいえ、バーネットもアリーグ救援投手部門のトップ3に入るのではないだろうか。救援50イニング以上の新人のなかで、バーネットの防御率はリーグ2位、与四球率は3位だ。
彼らがチームで果たしてきた役割は大きい。カージナルスではクローザーのトレバー・ローゼンタールが制球難に陥り、6月24日にシーズン3度目のセーブ失敗を犯し、防御率5.62となったところで中継ぎに回された。そこから、代わって締めくくりを任されたのが呉だった。
一方、レンジャーズはブルペン全体が良くなく、リーグ・ワーストの防御率4.76を記録している。そのなかで、バーネットは安定した投球を続け、7月2日から8月10日にかけては、13登板して17回1/3を無失点に抑えた。この連続無失点イニングは、今シーズンのレンジャーズでは最も長い。バーネットよりも防御率の優秀な投手は、レンジャーズには一人もいない。