【MLB】日本で守護神を務めた呉昇桓、バーネット。アメリカでもポストシーズンへ必要不可欠な投手に
昨年セリーグの最多セーブのタイトルを分け合ったバーネットと呉昇桓は、今季メジャーリーグ1年目ながら、チームのブルペンに欠かせない投手となっている。
2016/09/19
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故障でそろって離脱も……
ただ、9月に入り、順風満帆のシーズンを過ごしてきた2人に暗雲が立ち込めてきた。バーネットは左脇腹の張りにより、9月4日の2イニング無失点を最後に登板していない。呉は9月9日に17セーブ目を挙げた後、股関節の痛みを訴えた。
昨シーズンは、バーネットが所属しセリーグを制した東京ヤクルトも、呉のいた阪神もクライマックスシリーズに進出。バーネットは日本シリーズにも出場したが、呉は右足内転筋の故障で登板できず、阪神はファーストステージで敗れた。しかし今シーズンは呉だけでなく、バーネットもポストシーズンで投げられないのだろうか。
バーネットに関しては、どうやら、チームが万全を期しているらしい。レンジャーズは地区優勝をほぼ手中に収めているため、ここで復帰を急がせる必要はない。それよりは、100%完治したバーネットに、ポストシーズンで力を発揮してもらうほうがいい。『MLB.com』のライアン・ポズナーは、9月16日にバーネットがキャッチボールを開始したことを伝えている。
ただ、呉の場合はそうはいかない。カージナルスはすでに地区優勝を逃し、ワイルドカードを争っている。9月17日時点では、ポストシーズン出場圏内の1、2番手にジャイアンツとメッツが並び、カージナルスはそこから2.0ゲーム差の3番手だ。このまま終わっても、呉のメジャー1年目が素晴らしいことに変わりはないが、ポストシーズンに辿りつけなければ、画竜点睛を欠く。
9月17日、呉は8日ぶりにマウンドへ戻ってきた。1点リードされていた8回裏から投げ、その回を三者凡退で終わらせると、9回表に味方が2点を挙げて逆転したのを受け、2イニング目は2死から2安打を打たれたものの、得点は与えずに締めくくった。
ビハインドの場面で登場するのも、2イニング投げるのも、クローザーとしては異例だ。今こそ、カージナルスはこれまで以上に呉を必要としている。まさにそう感じさせる試合であり、今後もこの状況は続きそうだ。