【MLB】レッドソックス上原復帰がもたらすブルペンの効果。「8回、上原に電話をかけられるなら監督生活は楽に」
9月に復帰を果たしたレッドソックスの上原浩治。復帰後絶好調の上原が8回を担うことで、ブルペン陣の役割が明確に。地区優勝争いにおいて救援陣はレッドソックスの大きな武器となっている。
2016/09/21
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8回、9回は盤石に
3年前、ボストンの街に栄冠をもたらした絶対的守護神は、今でもチームにとって欠かせない存在であり続けている。右胸筋の負傷で7月以降離脱していたレッドソックスの上原浩治が、現地5日に戦列復帰。以降6登板連続で無失点のピッチングを見せている。『ESPN』は、「上原の成功が10月のレッドソックスの鍵になる」と題した記事を掲載、上原がチームに与える影響の大きさを取り上げている。
現在、激戦となっているアリーグ東地区の首位を走るボストン・レッドソックス。現地ボストンでは、2016年限りでの引退を表明したビッグ・パピことデビッド・オルティスにかけて「”Win one (more) for Papi”」(もう一度パピに世界一を)が合言葉になりつつあるという。チームもファンの熱気に押されるように現地15日からのヤンキース戦での4連勝を含む5連勝。2位とのゲーム差を4と引き離した。
『ESPN』のスコット・ロウバー記者は、「オルティズさえも最も重要な40歳ではない」とし、ここまで.317、35本塁打、118打点を記録しているオルティズ以上に今後上原が重要な存在になると見ている。
今シーズンは7月半ばに故障離脱するまで39試合に登板し防御率4.50と本来の投球とは遠い出来にあった上原。しかし9月7日のパドレス戦で復帰以降、6試合はいずれの登板も無失点に抑えるピッチング。6イニングを投げ許したヒットはわずかに4本、7つの三振を奪い無四球と内容も完璧だ。
18日の試合では連投のため休養日だった守護神キンブレルに代わり9回に登板、2カ月ぶりのセーブをあげたが、今後はキンブレルに繋ぐセットアッパーとして8回を任される予定だ。
今シーズン途中でレッドソックスに加入したブラッド・ジーグラーは上原が復帰することで生まれるメリットを以下のように語った。
“Any time there’s defined roles, it helps everybody out,” right-hander Brad Ziegler said. “With Koji being so good in the eighth inning, it’s made it a lot easier for everybody else to figure things out. When the phone’s ringing, we all have a pretty good idea who it’s for. It makes everybody more relaxed and confident.
「役割が明確になっていると、全員の仕事が楽になる」と右腕のジーグラーは語る。「上原が8回をしっかり抑えてくれているおかげで、ブルペンの全員が自分の役割を理解するのがすごく簡単になった。(ブルペンの)電話が鳴った時、だれが呼ばれているか我々みんなが分かるようになったんだ。そうなると全員がリラックスして自信に満ちた状態でマウンドに向かうことができる」