【MLB】前田健太がツーシーム、カーブを多投した理由。球種構成の変化に見る適応力の高さ
セイバー系サイトの『ファングラフズ』は、日米での球種構成の変化を例に前田健太の新しい環境やプレースタイルへの適応能力を紹介している。
2016/09/27
Getty Images
「マエケン体操」は変えず
カーブの多用の理由について、前田は以下のように説明している。
But it’s not because of the seams. Or maybe it is, but only indirectly. “With the slider, I’ve had a little bit harder time with the break,” Maeda admits. “But the curveball is the same.”
それは、縫い目(の高さ)の違いゆえではないようだ。仮にそうだったとしても間接的なものだ。「スライダーは日本でのようには曲がってくれない」と前田は認めている一方で、「しかし、カーブの場合は同じ変化が得られる」と話している。
ここで、サリスは興味深いデータを紹介している。
少なくとも、コンピューター解析の結果では、前田のカーブは他投手のそれと比較し、空振りが取れる率もゴロ打球の率も低い。言い換えれば、それほど有効な球種とは判断できない。
一方では、前田のカーブはストライクゾーンに投げ込まれた場合、打者に見逃される率がメジャー全体で5番目に高いという。
それが、意図したものかどうかは定かではないが、前田にとってカーブはカウントを整える役割の球種になっているのだ。
日本のプロ野球とメジャーとの間に、少なからず違いが存在することは確かだ。それは、ここで取り上げたボールの違いのようなハードの部分だけではなく、登板間隔や調整方法など多岐に渡る。
過去、この違いへの適応に苦しんだ日本人選手も存在したが、前田の場合はうまくクリアしたようだ。しかし、適応するだけでなく、どこに行っても変わらぬ自分流もちゃんと確保している。そんなものの一つに、サリスはあのユニークな「マエケン体操」を挙げている。
But that wild pre-game windmill ritual?
“Just part of my warmup and preparation.” And that’s one part of his game that hasn’t changed.
登板前に腕をぐるぐる回すこのワイルドな儀式もそうなのだろうか。「単なるウォームアップのひとつですよ」。これもどこでプレーしても変わることがない彼のスタイルのひとつだ。
出典:”Kenta Maeda, then and now”@ fangraphs by Eno Sarris in Sep. 21st 2016