【MLB】マーリンズ、エース「16番」を永久欠番。過去、3000本安打達成の現役スター選手も不慮の事故死
ボートの転覆事故で急死したマーリンズのエース、ホセ・フェルナンデスの背番号16が永久欠番となった。
2016/09/28
Getty Images
飛行機事故で命を落としたクレメンテ
メジャー球界を突然の訃報が襲った。マーリンズのエース、ホセ・フェルナンデスがボートの転覆事故により急死。24歳の若さだった。
今季は29試合に登板し、16勝8敗、防御率2.86の好成績。14年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、復帰後初めて迎えるフルシーズンだったが、手術前と遜色ない投球を見せつけた。最速100マイルの直球と、球界屈指とされる切れ味のパワーカーブ。数年後にはメジャーでもナンバーワンの存在に上り詰めると、多くのファンや関係者が期待する存在だった。
現役選手のショッキングな急死だが、メジャーでは過去にも複数のスター選手が不幸な事故で命を奪われている。
最も有名なのはパイレーツ一筋だったロベルト・クレメンテ。プエルトリコ出身でメジャーにおける中南米出身選手の先駆け的存在だ。悪球打ちで知られる強打の強肩外野手として活躍した。
1972年12月。地震で甚大な被害を受けたニカラグアへクレメンテは向かった。当地の治安が悪化し、送った救援物資は盗難などにあい、被災者の元へ届けることが難しい状況だった。そこでクレメンテは「ならば私が直接手渡そう」と救援物資を積んだチャーター機に乗り込んだ。
しかし、飛行機はエンジントラブルによりカリブ海へ墜落。38歳だったクレメンテは帰らぬ人となった。この年は足首の故障に苦しみキャリア最少の102試合出場に留まっていたが、118安打して打率.312をマーク。メジャー通算ではちょうど3000安打に達していた。
翌73年には実績と、慈善活動に励んだ功績も加味され、特例で「引退後5年」の条件は撤廃され野球殿堂入りを果たした。さらにコミッショナー賞として慈善活動を評価する賞が「ロベルト・クレメンテ賞」と改められた。現在では多くのメジャーリーガーが「最も名誉ある賞」と口を揃える。