【MLB】打撃好調のイチロー、16年目にして今季バントヒットはいまだ『0本』
バントの名手として名高いイチローだが、今季はメジャー16年目にして初めてバントヒットが0本。一方でラインドライブと右方向への打球の割合は上昇。今季のメモリアルヒットも多くがライトへの長打だ。
2016/09/30
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バント試行回数も自己最少タイ
現地28日に本拠地でのメッツ戦に敗れ、ポストシーズン進出の可能性が消滅したマーリンズ。移転後初のプレーオフとはいかなかったが、今シーズンはまだ3試合を残しながら、既に昨年を7勝上回る78勝を記録している。
そんなチームの中でイチローも躍動、打率.289、OPS.728はともに2010年以来最高の数字だ。またメジャー通算3000本安打や、メジャー通算500盗塁をはじめとする数々のマイルストーンも達成した。一方で今季はイチローの代名詞ともいえるあるプレーがいまだ1度も出ていない。
そのプレーとは、芸術的なバントヒットだ。
今季、ここまで4度バントを試み、うち3度は送りバントを成功。しかし、ここまで15年連続で1本は放ってきたバントヒットに関しては、今シーズンは一度も出ていない。
以下は各年度のイチローのバント試行回数とバントヒット、送りバントの数(データは『Fangraphs』を参照、2001年の打球傾向は記録なし)
02年 バント試行16回 バントヒット9本 犠打3本
03年 バント試行22回 バントヒット9本 犠打3本
04年 バント試行10回 バントヒット4本 犠打2本
05年 バント試行9回 バントヒット6本 犠打2本
06年 バント試行4回 バントヒット1本 犠打1本
07年 バント試行14回 バントヒット7本 犠打4本
08年 バント試行13回 バントヒット8本 犠打3本
09年 バント試行10回 バントヒット6本 犠打2本
10年 バント試行14回 バントヒット7本 犠打3本
11年 バント試行10回 バントヒット4本 犠打1本
12年 バント試行12回 バントヒット2本 犠打5本
13年 バント試行16回 バントヒット7本 犠打6本
14年 バント試行5回 バントヒット2本 犠打2本
15年 バント試行7回 バントヒット3本 犠打5本
16年 バント試行4回 バントヒット0本 犠打3本
今季、バント試行回数自体も2006年と並ぶ自己最少タイ。06年は161試合全て1番打者としての起用だったが、今季は全打順を経験、1番での141打席が最も多いが、2、6、9番での起用も各50打席以上と少なくない。打順の影響とは考えづらそうだ。06年のマリナーズ、16年のマーリンズ共にチーム犠打数はリーグ平均前後と監督の影響とも言いづらい。