【MLB】持ち前の制球力を失った前田健太。真価問われる「10月の野球」で輝きを発揮できず
地区シリーズ第3戦に登板したドジャース・前田健太。勝てば突破へ王手を懸ける試合だったが、まさかの3回4失点KOとなった。
2016/10/13
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大舞台の重圧か?
実際初顔合わせとなるナショナルズ打線は、追い込まれる前に積極的に打って出る作戦をとっていた。浅いカウントでは見極められることが多いスライダーに対しても、25球中14スイング。実際に安打した球は速球が多かったが、積極性を増したバットに対し、ど真ん中に失投がいった。
レギュラーシーズン最終戦は2回2/3で降りた。これは地区シリーズへの調整が目的で、球数制限によるものでイレギュラー。それを除けば31試合で、4回降板というのが3度あっただけ。最も大事なマウンドで、実質今季最短KOとなってしまった。
「このまま終わってしまえば、本当に悔しいまま終わってしまうことになる。必ず勝たなきゃいけない試合だということは分かっていた。ナーバスになっていたわけじゃないし、今日は僕の日ではなかったということ」
通訳を介して、前田はこう語ったという。慣れ親しんだはずの本拠地ドジャースタジアムのマウンドで、突然乱れた制球力。本人は身体的にも、メンタル的にも問題ないと強調したが、大舞台の重圧が狂いを生じさせたと見るほかない。
マリナーズ・岩隈久志も、レンジャーズ・ダルビッシュ有も終盤の大事なマウンドで崩れ、ヤンキース・田中将大は故障離脱してしまったが、前田も真価が問われる「10月の野球」で本来の輝きを発揮することはできなかった。