【ド軍番米国人記者の眼】10月だけ1勝もできず……それでも前田健太とドジャースが来年に前向きな理由
ロサンゼルス・ドジャースでの1年目を終えた前田健太。ポストシーズンでは打ち込まれたが、来季へ前向きだ。
2016/11/03
Getty Images
ポストシーズンで結果を残せなかった前田
2016年レギュラーシーズン、ロサンゼルス・ドジャースにとって最大のサプライズは、前田健太の加入だった。
そして、2016年ポストシーズン、理由は逆になるが、ドジャースにとっての最大のサプライズとなったのが、やはり、前田健太だった。
メジャーリーグ1年目の前田のシーズンは、終盤、見るに堪えないものとなり、それ以上に理解し難い結果となった。4月から9月までのレギュラーシーズンでは16勝をマーク。先発ローテーションから外れることもなく、1イニングに平均1打者以上を奪三振に抑えた投手が、10月だけ1勝もできなかった理由はどこにあったのだろうか?
今季最後の試合となった遠征先のシカゴにて、私は帰り支度中の前田に、何か体調に不調でもあったのかと聞いてみた。
「いえ、体の問題は特にありません」(前田)
では、何が理由だったのか。前田は、こう続けた。
「打たれる時もあれば、打たれない時もあります。単に沢山打たれてしまったのがこのタイミングだったということだと思います」
実際、ポストシーズンでの前田は滅多打ちにされていた。ワシントン・ナショナルズとのナリーグ地区シリーズでは、3回までに5安打4失点。ド軍は3-8で敗れた。
幸いその後ドジャースは2勝を挙げ、ポストシーズンを勝ち進んだ。
そしてシカゴ・カブスとのナリーグ優勝決定シリーズ第1戦で、前田が再び登板するも、4イニングで4安打3失点、4-8で試合を落とした。
その後第5戦では、3回2/3で3安打1失点。カブスの打者9人の2巡目の攻撃を待たずして降板となった。試合は4-8で敗れ、ドジャースはこの後勝ちきれず、ワールドシリーズ進出を果たすことができなかった。