【MLB】米メディア内に絶えない『田中将大、トレード推奨論』。肘は時限爆弾、長期巨額契約のリスク回避を主張
米メディアの一部には、田中将大の2016年を最大級に評価しているが、チーム再建期のヤンキースだからこそトレードに放出すべきだと推奨論が挙がる。
2016/11/06
Getty Images
長期契約、サバシアの末路
シカゴ・カブスが108年ぶりに『ヤギの呪い』を解き、激動の2016年シーズンが幕を閉じた。
しかしながら、各チームのフロントは余韻に浸っている間もなく、見つめる先は既に2017年。来シーズンに向け着々と準備が進められている。
この時期になると現地では、FAやトレードの話題で盛り上がる。そしてヤンキースの田中将大も、貴重なトレード要因の一人として、連日複数のメディアが取り上げている。
『Outside pitch sports network』のダニエル・フェデリコ記者も『田中トレード推奨論』を唱えている記者の一人だ。同記者は、It could be wise to see what they can get for Masahiro Tanaka(田中将大の交換相手を見極めたほうが良いかもしれない)と題し、田中のトレード・バリュー(価値)の高さを報じている。
同記事では、まず田中の先発投手としての能力の高さを挙げている。
特に今シーズンの活躍に関しては、2016 was Tanaka’s best season(2016年は田中にとって最高のシーズンだった)とし、最大限の評価をしている。
一方で、田中が2017年シーズン終了後に、契約を破棄してFAになることができる『オプト・アウト条項』を有していることに着目。田中の肘を『時限爆弾』と表現しており、仮に田中が2017年終了後に権利を行使してFAになったとしても、ヤンキースとしては長期巨額契約のリスクを回避できると報じている。
さらに同記事では、Yankees have already experienced what happens when you give a pitcher a long-term deal.(ヤンキースは、投手に長期契約を与えるとどうなるかを、既に経験している)と報じ、先発左腕のC.C.サバシアを例に挙げている。
2008年オフにサバシアとヤンキースは、当時の投手史上最高額となる7年1億6100万ドルで契約(2011年に契約を結び直し、実質8年契約)。
契約初期こそ、2年連続で最多勝を獲得するなど、期待通りの活躍。しかし、契約4年目以降、徐々にサバシアの実力に陰りが見え始める。
衰えが顕著となったのが、契約5年目の2013年。明らかに球威が落ち、被打率が上昇。奪三振率も低下し、防御率は4点台後半に跳ね上がった。
そして昨年はついに『長期契約ワースト10』に選ばれてしまうなど、サバシアの長期契約は、完全に『失敗』の烙印を押されてしまった。
そういった状況の中、田中をトレード候補の一人として、他球団のオファーを探ることを推奨している。