過去には黒田と岩隈にも提示。NPBでは受け入れ難いMLB独自のシステム「クオリファイングオファー」とは
メジャーリーグも今季の全日程を終え、ストーブリーグが幕を開ける。現地7日にFA資格を持つ選手と、所属球団との独占交渉期間が終了。10選手がQOを受けた。このQOとは果たして何か?
2016/11/10
ストーブリーグ開幕
メジャーリーグもワールドシリーズが閉幕し、ストーブリーグが幕を開けた。
アリゾナ州スコッツデールでは、4日間にわたるゼネラルマネジャー・ミーティング(GM会議)が開幕。その序章となったメジャーリーグ独自の「クオリファイングオファー(QO)」について解説したい。
現地7日、FA資格を持つ選手と、所属球団との独占交渉期間が終了し、10選手がQOを受けた。
提示を受けたのは、
ブルージェイズ エドウィン・エンカーナシオン内野手、ホセ・バティスタ外野手
オリオールズ マーク・トランボ外野手
レンジャーズ イアン・デズモンド外野手
メッツ ヨエニス・セスペデス外野手、ニール・ウォーカー内野手
フィリーズ ジェレミー・ヘリクソン投手
カブス デクスター・ファウラー外野手
ドジャース ジャスティン・ターナー内野手、ケンリー・ジャンセン投手
シカゴ・カブスのアロルディス・チャップマンのように、開幕時には自軍におらず、シーズン中にトレードなどで獲得した選手には提示できない。
契約は1年の単年契約。年俸はメジャーリーグ全体の上位125選手の平均年俸と決められており、今オフは1720万ドル(約18億円)と定められている。
2012年の設定当初から、メジャーリーグには、不必要な制度として悪名高かったQOだが、ここ数年は風向きが変わってきた。現在メジャーリーグ機構と、メジャーリーグ選手会は、12月1日に失効する現行の労使協定の更改に大忙しだが、QOはいずれかに形を変えて残るとされている。ロブ・マンフレッド・コミッショナーも「優れた制度の一つである」と一定の評価を与えている。