好対照なピアッツアとバグウェル 薬物使用の噂がつきまとう、殿堂入り投票落選者の「勝ち組」と「負け組」【豊浦彰太郎のMLB on the Web】
今回の殿堂入り投票での落選者の中でも、マイク・ピアッツアとジェフ・バグウェルは明暗を分けた。ともに素晴らしい成績と薬物使用の噂を抱えながら、前者は票を伸ばし後者は足踏みが続いている。
2015/01/08
予想通りの投票結果、来年はピアッツァの殿堂入りは確実
現地時間1月6日、全米野球記者協会(BBWAA)選出の今年の殿堂入り投票結果が発表され、ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネス、ジョン・スモルツ、クレイグ・ビジオが規定の75%以上の票を得て殿堂入りとなった。彼ら4人の選出はほぼ予想通りと言っていいだろう。
今回の選出の最大の特徴は、史上空前の有力候補者ラッシュだったことだ。少なくとも数字の上では、殿堂入りして当然のスラッガーや大投手が目白押しだった。その状況下、選出から漏れた候補者にも「勝ち組」と「負け組」がいる。
ESPNの人気コラム『スウィートスポット・ブログ』では、デビッド・ショーンフィールド記者が「勝ち組」の最右翼としてマイク・ピアッツアを挙げている。
Mike Piazza
He received 69.9 percent of the vote, up from 62.2 percent last year. That’s great news, a sign that he isn’t being held back by steroid rumors. Since seven players have been cleared off the ballot in the past two votes, and only Ken Griffey Jr. is an obvious first-timer joining the ballot next year, Piazza should continue to see his percentage increase and get elected next year.
彼は69.9%の票を得た。昨年の62.2%から得票率を上げている。これはすごいニュースだ。ステロイド使用の噂でも評価が下がったりはしていないのだ。過去2年で7人も殿堂入りを果たしている一方で、来年に(引退後5年を経て)被投票資格を得る者の中で、いきなり選出されるのが間違いないのはケン・グリフィー・ジュニアだけだ。来年ピアッツアは得票率を伸ばし、殿堂入りとなるだろう。
殿堂入り投票では、各記者(今年は549人だった)が最大10人まで投票できる。そして75%の記者から票を得れば(412票だ)殿堂入りとなる。
今年の有力者の中から4人が殿堂入りしリストから外れ、来年そこに加わるメンバーの中で初回で当選となる可能性が高いのは確かにグリフィー1人だけだ(セーブ数歴代2位のトレバー・ホフマンも最終的には殿堂入りするだろうが、初回では難しそうだ)。
今回、殿堂入りでなかった者のなかで最も多くの票を集めたピアッツアが、「浮く」票の中から今回の不足分を集めるのはほぼ間違いない。ピアッツアは通算427本塁打でOPSも.922。捕手として史上最強打者だった。その点では、殿堂入りして当然なのだが、彼には終始薬物使用の噂が付きまとっていた(検査で陽性反応を示したことはない)。